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Home >もっと底が知りたい!2005/6/9
報道 須賀毅

立ち止まって考える勇気と柔軟性を

 福島商工会議所の佐藤勝三会頭が昨年10月末に福島市曽根田のさくら野百貨店跡地に福島市庁舎を移転させる計画を公表してから7カ月が経った。その間、2月に福島商工会議所、福島経済同友会、福島経営者協会の経済3団体が連名で福島市議会に陳情書を提出したり、商工会議所が市民6万人の署名を集めて提出するなど積極的な活動を展開してきた。これに対して、福島市や瀬戸孝則市長は一貫して、従来の計画通り、五老内町に新庁舎を建設する方針を堅持、福島市議会も新庁舎建設案は既定路線だとして、経済界からの提案を拒否してきた。福島商工会議所が市民の署名を提出した後は、庁舎移転案を支持する側にさほど目立った動きはなく、一時は盛り上がったかに見えた市民の関心もここに来て急速に薄れつつある感は否めない。

 しかし、事は200億円を超えると言われる巨額の税金を注ぎ込み、福島市の代表的な建築物となるべき市庁舎を整備するという話だけに、一度決定したことだからというだけで、話を進めて良いものだろうか。確かに、瀬戸市長をはじめとする新庁舎建設案を指示する立場からすれば、何年もかけて新庁舎建設計画を進めてきたわけだし、すでに基本設計に着手した段階で、降って湧いたような移転案に振り回されるのは、正直迷惑だという感覚も理解できる。ただし、新庁舎建設案に関して言えば、計画当初はそれしか選択肢がなかったわけだし、市の財政もこれほど逼迫する状況は予想していなかったはずだ。降って湧いたような提案というならば、さくら野百貨店の撤退こそが降って湧いたような事態であったのだ。そうした新たな事態に対して、一旦立ち止まって計画自体を再考する場があっても良いのではなかったか。
 こうした思いは、私だけではない。先日、当社主幹とある設計士に市庁舎をめぐる問題について、意見を聞く機会を得た。その設計士曰く、市庁舎建設については、最初に「五老内への建設計画ありき」ではなかったのかという。市庁舎の建設に当たっては、当初からJR福島駅西口に建設することで、市の玄関口である駅周辺の活性化に役立てようとの声もありながら、そうした案は大して議論されることもなく、現在の計画が進められてきた経緯があったと指摘する。

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