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Home >斜め読み聞きかじり >2007/11/22

どこまで続くぬかるみゾ…

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 昔、「どこまで続くぬかるみぞ」という軍歌があって、子ども心に歌った覚えがある。“支那事変”と言った日中戦争で、日本の兵隊さんは鉄砲かついで徒歩で中国大陸を駆けめぐって戦った。だから、歩兵の軍歌は泥の中を這いずり回るような残酷さがある。今、日本には違った意味での“どこまで続くんだよ、このぬかるみは”と怒りと慨嘆の声が満ち満ちている。老舗の偽装だ。大手菓子メーカーでペコちゃんで親しまれた不二家に始まって、あれよあれよと言う間に北海道土産で知られた「白い恋人」の石屋製菓、創業300年の伊勢の「赤福」と、ライバル「御福餅」、そして極めっけは「吉兆」ときた。
 この吉兆という割烹は創業者の故湯木貞一氏が1930年に大阪で創業し、息子と3人の娘に婿をとって、船場吉兆、京都吉兆、東京吉兆など“吉兆グループ“を形つくった。その道の通の解説では、世の中にあまたある料理店の中でも二歩も三歩も抜きん出ている高級料理店なんだそうだ。そんな日本料理界での功績が認められて古湯木氏は文化功労者になった位なのである。もちろん筆者なんぞはとてもおいそれとは出入り出来るところではない。

 そんな高級ブランドの店が普通の牛肉を使いながら、もっともらしく「但馬牛」「三周牛」などと偽って味噌漬を売っていたのがバレて大騒ぎになった。さらに地鶏と称してプロイラーを使い、消費期限・賞味期限が切れた菓子類も売っていた。目下のところは虚偽の表示をした、とする不正競争防止法の違反で家宅捜索を受けた段階だが、料亭での料理の材料もごまかしていたんじゃないか、と下司の勘ぐりがすぐ出てくる。言ってみれば、消費者は「へン、お前らに高級肉や高級魚、高級野菜の味なんゾ分かるもんか」と亭主や板長にハナからなめられていた、ということになるのだ。
 いまテレビや雑誌はグルメの花盛りだ。一流どころの料理はうまそうだが値段もバカ高い。そりゃシェフの腕はいいんだろうが、使っている食材がまたいモノばかりだ。そんなら、旨いものが当たり前。本当の腕利きというのは、当たり前の材料で旨い料理を作るのが筋じゃないのかね。生きアワビだの、イセエビだの、霜降り牛だの、フォアグラだの、と金を惜しまずに使ったらオレだってうめぇもん作れるさ、といつも思うんだが、これはダメなのかね。それにしても日本の一般大衆の舌も自己責任の時代とは・・・。看板に目が眩んで騙されていちゃあ世話ねえや。まあ、ブランド崇拝教もほどほどにしないとねエ。(2007・11・20)


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