市民〔citizen〕と結ぶネットマガジン!
建設メディア「MEDIA」
Home >斜め読み聞きかじり >2007/10/5

“一物一価”が崩れていく

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 政治向きの話ではなく、たまには世の中の話題を、ということで今回は物の売り方、物の値段の地域格差を取り上げてみた。街中に目立つコンビニエンス・ストア・・・。ここで24時間営業を見直す動きが出始めている、という。実は世界のユンビこの歴史は1974年のセブン・イレブン豊洲店に始まるのだそうだ。「あれッ!アメリカじゃないの?」という声が聞こえそうだが、経済ジャーナリスト北村龍行氏によると、確かにコンビニ自体の発祥地は米国サウスランドだ。でも、このビジネスモデルを現在のセブン&アイ・ホールディングスが買い取り独自のビジネスモデルに仕立て上げたのが今のスタイルだ。アジアを中心に普及しているコンビニは日本がモデルであり、米サウスランドもセブン&アイの傘下に入った。だから日本が発祥地なのだという。驚いたねエ。
 もっと驚くのは、そのコンビニで24時間営業を最初に始めたのが郡山市のセブン・イレブン虎丸店だった、というのだ。なんで東北の福島県の郡山だったのかは分からないが、当時の市民は「真夜中に誰も起きて買い物をするハズがない」と冷やかした。セブン・イレブン側は「では、福島県には受験生はいないのか」と切り返した。少子化の今と違って、団塊の世代やその後輩たちが受験地獄と立ち向かっていた頃だ。なるほど、商売人の目の付け所が違う。

 その24時間営業が高齢化と少子化の地域社会の変化に遭って見直され始めた。北村氏は「日本全体を単一ビジネスモデルで律することが出来なくなったと認めざるを得なくなった、ということだろう」と述べている。都市では24時間営業は続けるが、地域によって見直される。東京のような大都市が隆盛する一方で沈滞する地方との地域格差の拡大が、全国一律の商売パターンを許さなくなった。それほど格差は大きくなってるのだ。もう一つ、ハンバーガー・チェーンが同じハンバーガーを地域によって異なる値段で売り始めている。大都市で高く地方で安い。つまり一物一価でなくなった。「安くなって嬉しい」などと喜んではいられないのだ。お金が無い貧乏人に安く売ってくれている、と考えると情けなくなる。北村氏は「買うお金はどちらも”円”だ。つまり大都市の円は安く、地方の円は高い、ということになる。経済に勢いがある大都市の円が安く、元気のない地方の円が高いのは経済の常識では反対の現象だ」と指摘している。大都市と地方の格差は民間の店が地方に価格支援しなければならないほど拡大している、と見るべきなのだ。この先、一体どうなるのだ。(2007・10・5)


Copyright (C) Medianetplan Co.,Ltd. All Rights Reserved.
このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。