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弊履のごとき大臣ポスト、と言うが・・・

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 弊履とは「ちびた履物」のことで「弊履のごとく」は「惜しげもなく」という意味である。実はいま何かと話題の防衛大臣が「弊履のごときポスト」と称されているのである。その訳は…。1950年に警察予備隊が出来、保安庁⇒防衛庁⇒防衛省と移り変わる間の57年間に任命された防衛担当大臣は70人に達しているのである。平均在任年数は明らかに1年に満たない。この間の総理大臣は24人だから首相1人で防衛トップはなんと3人。これは相当な”粗製濫造”ではないか。ひどいのは創設した最初の10年間でなんと14人が任命されていることだ。政権別にみると佐藤栄作政権の7年で9人、池田勇人首相は4年で6人、岸信介首相が3年で5人といったぐあい。任期の短さのワースト3はトップが増原恵吉大臣(佐藤内閣)の僅か29日。増原氏は初代の警察予備隊本部長官に就任したが、いわゆる内務官僚バリバリのせいか、戦前の軍隊の「統帥権独立」から戦後民主主義による「文民統制」へ頭の切り替えがついていかない人物だった。でも第三次佐藤内閣で再び防衛庁長官に任命された直後に、航空自衛隊の戦闘機と全日空機が雫石上空で衝突事放を起こし同じ月に引責辞任した。ついで短いのは田中角栄内閣での宇野宗佑大臣の37日、羽田孔内閣での神田厚大臣2ヵ月と10日の順。これでは、まさに弊履と言われてもやむを得まい。もっとも、任命された大臣側も舌禍を繰り返し辞任に追い込まれる人物が続出した。最近の久間さんもこの一人だろう。  

 その”弊履”大臣がこのお盆のさなか、防衛次官人事を巡って熱い火花を散らしている。外目にはどこが優秀なのかイマイチ分からない小池百合子議員を安倍首相は久間“しょうがない”大臣の後釜に据えた。月刊情報誌の「選択」8月号には「防衛庁に見られる『リリー』と守屋の蜜月」という一文が載っている。守屋武昌防衛事務次官と小池氏は昔からの飲み友達という間柄だそうで”蜜月ぶり”をアピール。今回の小池防衛大臣就任では守屋次官が省内揚げてるの最高のセレモニーで出迎えたのだそうだ。これで守屋次官は来年3月まで丸5年の任期を全うするハラづもりだったらしい。ところが8月7日の朝刊で報じられた「守屋次官が退任」というニュースに当の守屋氏がビックリ仰天。まさに寝耳に水だったからだ。小池大臣が8月15日の閣議で交代人事を決めようという作戦だったが、塩崎官房長官の阻止に会い果たせなかった。かくて大臣Vs次官の熱い戦争が続いている。“弊履”ポストが脚光を浴びている。(2007・8・20)


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