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読売新聞が心変わり?

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 7月29日参院選の結果は想像以上の自民党の大敗で終わった。でも安倍首相は早々と続投を宣言し”居すわって”いる。勢いがあった頃の昔の自民党なら、こんなことは微塵も許されなかった。たちまち党内で足の引っ張り合いが出現し首相交代劇が演出された。これを先刻ご承知のご本人は早々と退陣を宣言したものだ。9年前の橋本竜太郎さんがそうだし、さらにその9年前の宇野宗佑首相も同様だった。この「9年目のジンクス=参院選があるのに国会を会期延長した年は自民党が大敗する」は今回もピックシカンカンだったが、ただ政権交代だけは当たっていない。まあ参院選の結果と政局の動きについては、目下マスコミが連日取り上げているから、ここではあまり論評はしない。
 ただ、今回参院選でマスコミ裏話として話題になっていることが一つある。月刊誌「選択」8月号によると、今回参院選で新聞各紙とも連日「自民党が苦戦」と報じ続けたが、この中でそれまで安倍首相に好意的な論調を展開してきた読売新聞が全国紙のトップを切って「与党過半数割れも」という世論調査の結果を一面トップで掲載した。さらに社説でも「外交・安保、さらには憲法問題での安倍首相の取り組みは弱い」と強く指摘したのだ。安倍内閣が発足して以来、安倍政権支持のスダンスだった読売の存在は、安倍さんが強引ともとれる政治手法を取る際の強力な味方だったハズだ。それが参院選になるや、この路線変更ぶり。「読売が心変わりした」と大きな話題を巻き起こしたのだ。
 そのこころは…。どうやら読売新聞グループ本社会長である渡辺恒雄氏の心変わりがモロに反映されているのが原因らしい。いまや読売のカリスマとなったナベツネさんは政治記者時代から中曽根康弘元首相の取り巻きで、安倍さんが政権を握ったとき、中曽根氏とともに激励会を開きいろんなアドバイスをした仲だ。そのナベツネさんがなぜ心変わりしたのか。どうやら新聞の再販制度をめぐる公正取引委員会委員長人事に原因があるようなのである。ご存じ聞の値段は著作物再販制度に守られて(独禁法23条)、他の商品と違ってメーカー(新聞社)が定めた小売価格の値引きを禁止されている。ところが安倍首相が再任した竹島一彦委員長は強力な再販制度の廃止論者である。ナベツネさんが陰で竹島続投阻止に動いていたのだが、それを安倍さんに無視されてメンツをっぶされた。そして安倍さんに対して心変わり、という次第らしい。さて、この心変わり、これからどう展開するものやら、お手並み拝見といこう。(2007・8・10)


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