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Home >斜め読み聞きかじり >2007/3/19

曾っては福島県でもあった

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏
 地方交付税の減額や税収入の減少で地方自治体の台所は火の車だが、中でも北海道夕張市はどん底だったようで、とうとう3月6日に財政再建団体になってしまった。このあおりで、2007年度の市役所一般職員の数が253人から127人とビックリ半分になるという。これは大変なことだ。組織改変で5つあった部は全く無くなり、課も17課から7課に減る。いかに財政難とは言え、まともな市政が継続出来るんだろうか、と他人事ながら気にかかる。

 財政再建団体というのは、ご存じのように歳入から歳出を差し引いた収支から、さらに次年度に繰り越す事業の必要経費を引いた残りが赤字の県・市町村のことだ。といっても赤字団体が全て財政再建団体とは限らない。さらに赤字が経常的な歳入の何%に当たるかの計算で、20%以上だと総務省から財政再建団体と認定される。民間会社なら倒産である。こうなると起債、つまり我々でいう借金は総務省の許可なしでは1円も出来ない。借り入れ無しで、かなり厳しい財政再建計画を立てさせられて、最大歳入増とぎりぎりまで削減した歳出で財政を建て直すことが義務付けられる。夕張市では、市民税なんかは恐らく日本一高いものになるだろう。一方、市民が受ける行政サービスは極端に減る。消防職員はそのままだから火事・救急は大丈夫のようだが、高齢者の医療・介護が心配だ。夕張市民がこれに耐えてマチを再生させられるか、暖かく見守りたい。

 以上、他人事のように述べてきたが、実はわが福島県でも財政再建団体は体験済みなのである。話は古く昭和29年に遡る。当時の大竹作摩知事は党人派政治家で人望が厚く慕われた。只見川電源開発では優れた政治力とリーダーシップを発揮して新潟県と渡り合い、本県の主張する本流案を実現させた。しかし財政運営ではやや放漫的だったらしく東北の3バカの1つと言われた県庁(今の本庁舎)を建設。この財政負担もあって県が財政再建団体に陥った。職員の昇給がストップないしは延伸(3・6・9延伸)され、苦難の中で県財政を建て直した。大竹知事は昭和32年7月に任期1年を残して引退。8月の”知事選夏の陣”を経て農協界の大御所佐藤善一郎知事が誕生した。この選挙で佐藤候補が公約の一つに「3・6・9延伸の解消」を掲げた。支援に回った県職労の支持条件だったのだ。当選後、さっそく県職労が延伸の解消を迫ったら佐藤新知事「3・6・9延伸っちゃ、何だい?」と聞き返し支持者を唖然とさせた、という逸話が残っている。この頃に再建団体から脱却出来たのだ。(07・3・15)


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