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建設メディア「MEDIA」
Home >斜め読み聞きかじり >2006/10/23

なんで日ハムを放映しないんだ!

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏
 久しぶりにマスコミ界の話題を取り上げたい。このところ、新聞・テレビは北朝鮮の核実験と、中学生のいじめによる自殺で持ちきりだが、最近のテレビ放送で憤懣やる方なかったことが一つある。現在、日本シリーズ真っ直中だが、そのプロ野球の中継のことだ。セ・リーグのBクラスに転落した巨人の視聴率がガタ落ちなのはやむを得ないが、それに引きずられたのか、パ・リーグの優勝を決める日本ハムとソフトバンクのプレーオフ最終戦を5つもあるテレビ局のどこも放送しなかったのは一体どうしたことなんだ。
 日ハムが北海道にフランチャイズを移して3年目に25年ぶりの優勝を飾って、札幌ドームは超満員のファンが歓喜にむせんだ。その様子を民放のどの局も知らん顔で見過ごしたのである。なんたるニュース・バリューの欠如だろう。辛うじてNHKがBS1で放映していたが、これには大沢親分も大怒り。まさに“喝!”である。
 5つのテレビ局は互いに競争し合っているのだから、それこそ談合などするハズがない。でもどこかの局で必要性を感じ取ってもいいじゃないのか。外野手が飛球を譲り合ってポテンヒットにしたのより始未が悪い。土台、これまでの日本のプロ野球テレビ放映は後楽園球場時代から読売・日テレが巨人軍の試合を独占し高視聴率を稼いで来た。ほかの局はそのおこぼれで甘んじてきた。それがジャイアンツの視聴率が下落すると、他の試合まで止めてしまったのだ。日本マスコミ界の大きな弱点を見た。

 別の話題にしよう。「新聞の閲覧禁止」という、いまどき耳を疑うようなトラブルが日本各地の公立図書館で起きた。8月末に起きた山口県徳山工業高専での中谷歩さん殺害事件で、指名手配されていた19歳の少年が自殺体で発見されるや一部メディアが匿名から実名に切り替え報道したのだ。テレビ朝日、日本テレビ、そして読売新聞の3社だ。これが少年法に触れる、と三重県立図書館で実名記事部分に紙を張り付けたり、大阪府豊中市の図書館では新聞閲覧コーナーから撤去したり10カ所で閲覧禁止の措置をとった。
 少年法は家裁送りや起訴された20歳末満の少年を特定するような報道を禁じている。この趣旨を3社以外の各社が守った。もともと横並び意識が強い我が国メディア界だが、3社以外の新聞社・テレビ局の編集幹部が電話で匿名か実名か、互いに探り合っていた、という話もある。今回の3社の動きは、こうした“サークル意識"から一歩抜け出し、横並びが崩れてきた証拠なんだろうか。なら、日本ハムの時も考えてくれたら一。(2006・10・23)


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