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なんで今さら”愛国心”なんだ

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏
 終盤国会の焦点に浮かび上がった教育基本法改正案で、にわかに「愛国心」の言葉が飛び交い、新聞・テレビを賑わわせている。衆院特別委員会での論議は、突き詰めれば「愛国心」を巡って「我が国と郷土を愛する」とした政府・自民党案に対し、野党民主党は「日本を愛する心を涵養(かんよう)する」の対案で、対立の恰好をとっている。だが、いまさら愛国心などと言い出さなければならない理由がいま一つ、よく分からない。もともと”国民は自分の国を愛しましょう“などと法律で規定して呼びかけること自体がどこか変だ。自分の国を第一に考えるのは当たり前じゃないのか。かつては、中国文化革命をもてはやし過ぎて「売国奴」とこきおろされる新聞社が現れたり、外務省の某局長のように北朝鮮におもねて日本を不利な立場に導いたりした輩もあったが、余程のへそ曲がりはともかく、国民は「日本が大事」と考えているハズだ。
 と、まあ筆者は考えるのだが、待てよ、オレたちの年代が子供の頃に受けた教育(5月24日付けの福島民報で、坂本弘氏は“ああ言えば、こう書く”で「教育勅語に基づく道徳教育」と喝破していたが)、これが現代は無くなってしまっているのか。こんなエピソードがある。日本の都会で日の丸を先頭にした行進があった。子どもたちはイスに座ったまま見物していたら、アメリカ人の子どもが[日の丸は日本の国旗でしょ、どうして座ったままで迎えるの?]となじった、という。自由闊達で多民族のルツボ、好き勝手にやっているように見えるアメリカ人だが、星条旗が掲げられると必ずといっていい程、立ち上がって手を胸にして迎える。大リーグ中継でもよく見かける風景だ。

 この国旗日の丸と国歌君が代を戦後の長い間、日本では教育せず、おろそかに扱ってきた。なにせ先生の団体の日教組が“戦争中の葵(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹いて“反対し続けてきたのだから、どうにもならない。だから大相撲の千秋楽に演奏される君が代を、子どもが]“相撲の歌”と言った話はブラックジョークの最たるもんだろう。愛国心などと法律で決める前に、日本中の子ども、いや団塊の世代を含め戦後教育を受けた国民みんなに、まず国旗・国歌への敬愛の念を植え付けさせるのが先ではないのか。オリンピックや世界ワールドクラシック野球などで日の丸を振って熱狂する若者が、国内では全く無頓着な様子に、二重人格を感じさせられ続けてきた。戦争と日の丸・君が代を結び付ける考え方はもう捨て去ろう。(2006・5・25)


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