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建設メディア「MEDIA」
Home >斜め読み聞きかじり >2006/5/13

ガンは不治の病ではない

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏
 今回は久しぶりに医療の話をしたい。といっても、通常国会での医療制度改革関連法案の審議や、診療報酬の3.16%引き下げなど一連の医者いじめ病院いじめの話ではない。医療技術の絶え間ない進歩ぶりを取り上げたいのだ。今、日本人の死因のトップはガンである。年間に亡くなる約100万人の3分の1、約32万人がガンによるものだ。長いことガンは不治の病として恐れられてきた。ところが、21世紀に入ってガンは不治の病ではなくなってきたと言っていいのではないか。それほど世界最新の医療は進歩している。ガンは細胞の遺伝子に狂いが生じて規則もルールもそっちのけで異常な細胞分裂を繰り返して、臓器の機能をダメにしていく病気だ。だから発生そのものを止めることは出来ない。唯一の対応策はガンの早期発見・早期治療である。極く小さいうちに見つけ出し、手術で切り取れば命は助かる。放射線治療もあるし化学治療、つまりクスリでも治せる。その早期発見の最新鋭機器がPET(陽電子放射断層撮影装置)だ。ペットはペットでもボトルや愛玩動物ではない。こっちは命をとりとめる“命綱”である。この原理は“毛ばりによるオトリ作戦だ"と言った偉いドクターがいた。異常に分裂して増えてゆくガンは工サも大食いする。正常細胞の何倍ものブドウ糖を必要とするのだ。そこで、ブドウ糖そっくりながら一部に特殊な“クスリ"を付けたオトリのブドウ糖を体に注射して体全体に行き渡らせてPETで撮影する。すると正常細胞部分は薄い青色に映るが、ガン細胞部分ではブドウ糖が集中しているから黄色から赤色に光って映るのだ。一発で全身が見られ、ガンの在りかが分かる仕組みだ。

 そして、見つけた徴小ガンの治療では「陽子線がん治療装置」がある。同じ放射線でも、こっちはX線のような光波ではなく粒子線、つまり水素原子から電子をとった核の粒を約1億個、光速に近いスピードを加えてガン細胞に当てて殺す、という装置だ。例えば体表面から15p奥にガンがあれば、皮膚から
 15p直前までは弱い力だが、ガンがある15pになると最大の力を発揮するように調整して使える特性がある。だから、切らずにガンを治せるし副作用も極く僅かで済む。PETは既に県内では総合南東北病院(郡山)で3年目を迎えたし、陽子線の方は平成20年10月から同病院で診療を開始する。その目は市内の他病院などを見ていない。目指すは“世界有数のガン治療センター”を郡山に作ることだ。これは注目していていい病院だ。(2006・5・11)


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