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ふたりのイチロー

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏
 今、“ふたりのイチロー"が話題になっている。というよりは「注目されている」と言った方が相応しいか。ともに抜群の知名度と実力・実績を持っている。しかも、ともに今までのイメージとは違った、新しい姿への変身ぶりが関心を集めているのだ。こう言えば、もうお分かりだろう。そう、一人はメジャ一リーグ「シアトル・マリナーズ」のイチローである。大リーガーとして早いもので6年目を迎えた。その間に大リーグ年間ヒット数の新記録を作るほどの優れた能力を持っている。日米を通じてプロ野球選手としての成績は申し分がない。こんなハイセンスの野球能力を持つ選手は減多に現れないだろう。だが、そんなことで関心が高まっているのではない。3月のワールド・べ一スボール・クラシック(WBC)で日本代表のチームリーダーとして、あの感情を剥き出しにした叱咤激励、全てを世界一になることに傾けた、あの情熱にみんなびっくりした。その変身ぶりがメディアを通じて流された。これまでのイチローのイメージは、どこか孤高の人でクール。自己顕示欲、自己愛が強いナルシスト、と見られていた。数々の記録を作りながら、言動は哲学的でさえあった。そのイチローがWBCで情熱家にヘンシ一ンした。そして優勝。彼の評価は一気に高まった。“男を上げた”との声ばかり。長嶋茂雄に続く、これからのミスタープロ野球として期待が大きくなっている。

 もう一人、それは政治家小沢一郎である。偽メール事件で存亡の危機に陥った民主党の代表に就任するやマスコミに出ずっぱり。しかも「私を変える」と宣言し、たちまち世論調査で期待度60%を示した。そして4月23日に行われた衆院選千葉7区の捕欠選挙で見事に勝利、初陣を飾った。もはや民主党は死に体どころか自民党の牙城を揺さぶり始めている。もともと、若くして自民党幹事長になり“総理大臣に最も近い男”と言われたが、なぜか自民党を離れて細川連立内閣を誕生させ、政権交代を実現した。間もなくこれもぶっ壊し、新党を作っては壊した。このため、「独善的」「わが儘」「壊し屋」「マスコミ嫌い」などの悪評の中で表舞台を極端に避けてきた。それが民主党代表となるやこれまでと違った演説をぶち、人事でも強調性を呼びかける変貌ぶり。これに疑心暗鬼だった周囲も次第に期待に変わってきている。国民はこの変貌に日本の好転をダブらせ「もう一度、政権交代で日本再生を」と行方に注目している。まさにラストチャンス。変身が本物なら小沢政権もユメではない。(2006・4・25)


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