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Home >斜め読み聞きかじり >2005/11/8

原さん、それは奇怪しいんじゃないですか

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 今の世は自ら責任を取らない風潮がはびこっている。サラリーマンから社長に上り詰めた“成り上がり社長”の中には、自分の失敗で会社が赤字を出して危機に瀕すると「経営合理化だ。まずリストラだ」と部下の首を切り、不採算の工場を売り飛ばす、などで自分の首を守る輩(やから)が目につく。小泉第3次内閣改造が終わった。「実務型内閣」とか「改革継続内閣」などと自画自賛しているようだが、この小泉さんの任期はあと1年。これまで改革に取り組んだ功績は認めるが、その成果が出るのはまだ、ずーっと先のことになる。この先に今次の改革の結果が悪かったとき、誰が責任を取るのだろうと考えると、先行きに不安がつのる。そんなことに思いが及んでいるときに、奇怪な新聞記事を目にした。藤森市長時代に郡山市が失敗した東北文化学園大学誘致で約2億円の損失が生じたが、その穴埋めをめぐっての責任問題で、10月31日に現在の原正夫市長が「連帯責任ではないか、と思う。責任があるのは執行権者、市議会、そして市民でもある」と語ったのである。その心は「執行権者に市政執行を負託しているのが市民。その意味で連帯的なものがある」というのだ。「あれっ」と思い、しばらく考え込んだ。

 表面的には原さんの論理通りかもしれない。市民は市長選で「あなたを市長に選びます」と投票したのだから一。でも、どこか奇怪しいんじゃないの?この理届が通るなら市長が私利私欲でやったことも、ヘマをやって失敗したことも、果ては汚職や横領したりセクハラしたりで訴えられても、みーんな市民にも責任あり、になってしまう。「選んだのが悪い」と言われても頷けるハズがあるまい。まして今回の誘致劇はタチが悪い。大学誘致は市長の公約あるいは施策だ。市民が直接参画した案件ではあるまい。東北文化学園大は元々問題のある大学であり、これまで大学側から地方自治体に進出を申し出ても次々に断られていたフダ付きである。それを突然、藤森市長が飛びつくようにして誘致に乗り出し、大学理事長の脱税、大学の粉飾決算、大学認可申請での不正などが次々に明るみに出ても、これに目をつぶって市長も市議会も誘致を断念せずに11億円もの支援をした。反対意見は無視した。これは市長・議会の独断専行ではないか。この結果、大学誘致は無残にも空中分解した。その大ミスの尻拭いを市民まで巻き込むのが政治家のやることなのか。しかも郡山市政では過去に2回、大学誘致で失敗しているのにそれが生かされなかった上でのことだ。原さん、もう1回、よーっく考えてみたら一。(2005・11・2)


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