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しっかりやって!二一ト対策

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 時代の流れで、どうしようもないことなんだろうが、次々に新しい言葉や略語が生まれる。マゴマゴしていると追いつかなくなってしまう。そんな中に、わが国社会の病態を表す新語が現れてドキッとさせられる。その一つが「二一ト」だ。「Not in Education,Employme n of Training」の頭文字NEETからきている呼び名で、’教育も受けず、仕事も無い、訓練もうけていない”不甲斐ない若者のことである。

 2007年から日本人の人口 が減少に入る、とこの欄でも警告したばかりだが、なんとその推測が早くも狂って、厚生労働省の調査ではこの半年で約3万人も減ったという。団塊の世代が引退して人口減少が始まるのを「2007年問題」と言うのだそうだが、予想外に早く訪れる可能性もあるようだ。そんな中で、これからの日本社会を支え引っ張ってくれるハズの今の若者の中に、何もしないでブラブラしている層が新語になってしまうくらい居る、というのは深刻な話だ。さすがに政府も放ってはおけず、二一ト対策に乗り出す、というニュースが報じられていたが、単に人口数が減るだけでなく、人口の質の問題が重要になってくるだろう。先にも「パラサイト族」(大学を出ても就職もせず、結婚もしないで親と同居し、養ってもらっている若者=親に寄生)という用語があったが、これは親が現在の年金や医療福祉のレベルの高さの中で、余裕があるからやっているんであって、それは“甘やかしだ”と言われても勝手である。だが、二一トとなると一人ひとりの人生の先が見えないことだから、これが一塊りになって社会の重要な部分を占める年代になったとき、日本社会に大きな打撃になってゆくだろう。

 二一ト対策には万全を期してほしい。ただ、こんなことは日本ばかりかと調べてみたら、先進国はみんな同じ悩みを抱えていた。アメリカでは「ブーメラン族」と呼び、独立した子供が経済的な理由でブーメランのように実家に戻ってくるケースが増えている。イギリスでは「kippers」(親の老後の糧まで食いつぶす子供、という意味の言葉の頭文字=キッパーズ)と呼び、全く同じような“スネかじり”ぶりを発揮している、という。もっとも、個人主義の国アメリカでは「大学まで出した子供にこれ以上援助する必要は無い」との抵抗も親の間で強まっているとか。(2005・9・1)


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