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主幹 富田正廣

何度も書くが、何度も言うが。

 昨年の談合事件以来、業界側から企業の資質、倫理、信頼、さらに公共工事は国民、県民の税金で造られ、国民、県民に対し安全・安心を提供するもだというような内容の記事が目に付く。中には自戒に目覚めたように説法する業界トップもたびたびマスコミに登場してくる。それまで解っているのなら、「いままでは、どんな業界だったの」と揶揄したい。

 何度も書くが、県民や他業界が建設業を色で表すとすれば、大方の人はグレー、またはダークグレーと答える。これは建設業界にも多くの業種・業界があるが、そのイメージを引きずるのが、公共工事を主とし、道路や橋、舗装工事などの土木業者、そして学校などのいわゆるハコ物を造る建築業者のことである。こうしたイメージは、戦後60年余の中で培われてきたことだが、まったく俗世界とはどこか隔離されたような場所で育ってきたように思われる。まずはその悪玉イメージの打破から取り組むべきである。

 何度も書くが、その解消のひとつに市民との関わりがある。大雪が降ったらせめて会社周辺の道路の雪掃きをまめにするとか、雨が降って側溝が溢れていたら率先してその解消に努めるとか、地域集会所が雨漏りすると聞けば、すぐに行って応急措置を施してやるとか、土木業者や建築業者なら朝飯前にやれることだ。「それは、役所に言って!」など門前払いせず、地域住民との繋がりをもっと大切にすべきである。「わが協会は、市の要請でそうしたものには会員が総出でやっているし、市に多額の寄付もしている」と反論する声が聞こえそうだが、護送船団でやっているからどうのということではない。もっと身近なところの業者となれば、市民は必ず“第三者の意見”より、ずっと味方になる答えを出すものだ。

 何度も書くが、我々が子どもだった頃、地元のデンキ屋さんは有り難たかった。電気の球が切れた、ヒューズが飛んだ、ラジオが壊れた、テレビが見えない等と言うと飛んで来ては、すぐに直してくれた。そうした市民との触れあいこそがマチのデンキ屋さんのモットーだった。それこそ、今の建設業者に必要な「本質」ではないのか。我田引水のような能書きをトップが発しても、市民にそう簡単には受け入れられまい。再生のための検討委員会なるものを発足させても所詮、第三者の言葉に過ぎない。まずは自らの手で市民のイメージを変えることで信頼を勝ち得ていくほかない。 

 何度も書くが、護送船団方式で戦後60年余を渡ってきた業界だが、これからは「集」の時代ではない。「個」だけで生きていく時代である。「協会は何をしてくれるか」を期待する前に「自分の会社は何ができるのか」を問う時代である。国や県は、建設業者の淘汰に向かって改革を進めている。そのひとつが、談合問題を契機に総合評価方式や入札ボンド制の導入、さらには指名停止の延長、課徴金の倍増、コンプライアンスの強化などで、業者をゆっくりと締め上げていこうとしている。ここまで来れば、建設産業は地元の基幹産業ではない。

 何度も言うが、真綿で首を絞められる前に、市民権を獲得すべき方策を考えれば、自ずと道が開けそうな気がする。第三者の意見など“意見”に過ぎませんゾ。(07.1.15)



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