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主幹 富田正廣

さまざまな思い、さまざまな疑問

「待った〜。待った〜。やっと来た!〜」
 「待った〜。待った〜。やっと(オレの時代)来た〜。」西田敏行が扮する徳川家康は仁王立ちで秀吉の死を喜ぶ。NHKの大河ドラマ『功名が辻』のワンシーンである。じっと天下の来る日を待ち続けた家康、我が亡き後も4歳の秀頼と豊臣家の安泰を最後まで案じて世を去った柄本明が扮する豊臣秀吉、天下統一を成し得たふたりの生き様が見事に演出された1日放映の「秀吉死す!」。
 今回の「県談合事件」をきっかけに、家康のこんなシーンが政財界でいろいろと起きているのだろう。次の知事の椅子を狙う人たち、県庁内の人事、建設業界の派閥抗争など、泣く人もあれば笑う人もある。沈む人もあれば浮き上がる人もいる。すでに知事選挙は11月12日に決まったが、辞職後わずか50日という短期間にどんな選挙戦が繰り広げられるのか。どんな選挙も「出たい人より出したい人」に絞って人選をおこなって欲しいものである。

青年会議所全国大会もワンマン振り
 原発問題や道州制問題などで佐藤前知事は知事の間では改革派として人気があったようだが、どうしても長期政権となると「淀み」と「弛み」、そして「歪み」が弊害となる。“裸の王様”は怖いモノ知らずで自分の考えを押しつけてしまう。間もなく青年会議所全国大会が郡山市でおこなわれる。こうした大会の会場となるホテルや大会パンフレット、それに手配するバスまでにも口を出して変更させてしまったというワンマン振り。この大会だけにはどうしても出席して挨拶したいと考えていたようである。それも叶わず、とうとう28日の辞任会見となったが、辞任も一日遅かったことが悔やまれる。27日の議会開会日の冒頭にまず、「辞任の表明」であるべきだった。
 これを受けて、野党の県民連合もとより、自民党までもが辞任勧告決議案という強硬手段を執らざるを得ない事態に及んだ。わすが1日の判断の狂いが、裸の王様の明暗を分けた。これだけ福島県が徹底してイジメられるのは、国策であるプルサーマル計画に耳を貸さないことが命取りに。それとも、一部で語られている東京電力の陰謀説か。

おまえら死ね!
 知事職務代理者の川手晃副知事は1日、「談合という悪しき慣行を見逃していた」と陳謝したが、本当に川手副知事は東京地検特捜部が動くまでこうした慣習を知らなかったのか。佐藤前知事は副知事や各部長の意見はほとんど聞かなかったという。だが、女房役なら少なくても知事の暴走をくい止められなかったのかである。
 副知事は2日に厳しい入札制度の改革に踏み切るためプロジェクトチームを発足させ、入札制度や天下り全面禁止、内部告発制度の導入、そして口利きした人物を公表することなどを改革方針に盛り込むと発表した。だが、小規模な側溝、道路補修、修繕などの工事までもが、条件付き一般競争入札をさせられたら、小規模業者にとっては「おまえらは死ね!」と宣告されるようなものである。県民が税金を払っているのだから、地域の小さな工事は地域の業者に委託する新たな方式を採るべきである。天下りの全面禁止は大賛成だ。県の幹部だったというだけで甘い汁を吸える時代が長すぎた。確かに市町村への技術指導やアドバイスをおこなう県建設技術センターの役割は大きいが、いつしか県と業者の別な形でのパイプ役になって、『成らぬことは、成らぬ』の精神を踏み外していたということだ。

「あみだクジ入札」のふしぎ大発見!
 条件付き一般競争入札が標準化してきたが、国、県そして市でも起きているのが、辞退、同額、失格の問題である。先月、会津、南会津農林事務所などでも起きたが、予定価格の20%を切ったら失格という入札で、相札した11全社が同額となり“あみだクジ”で業者が決定した。また一方では5社が同額、3社が失格、3社が辞退したという。こちらも結局“あみだクジ”で決まったが、あみだクジで最終決着する方式なら「条件付き一般競争入札」も形骸化してしまう。業者は「取った!取った!」と小躍りする姿に関係者の一人は唖然としたというから驚く。「同額の場合はクジ引きする」という入札の条文はあるが、取りたくない人は辞退、取る気はなく落札額を探る人は失格、取りたい人はあみだクジとなれば、これは大いに問題だ。これも入札の不思議だが、こんな方式で入札の改革は大丈夫ですかね。(06.10.2)



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