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主幹 富田正廣

求む!“いさぎよい”知事辞任。

 水谷建設(三重県)の脱税問題から、端を発した福島県公共事業談合事件はすそ野を拡大するばかりで、一向に出口が見えない。一部では盆明けにも佐藤知事は辞任するのではないかと言われたが、我が身と身内の潔白を信じて疑わない姿勢に、建設業者からは「往生際が悪い」とか「いさぎよく辞任して欲しい」という声が高まっている。これだけ犠牲者が出ているのにも関わらず、自らの潔白ばかりを主張する態度は、5期にわたって県庁を監督・指導してきた人間として、また、県の最高責任者として県民の信頼を失墜させた責任は思い。
 既に佐藤工業の佐藤勝三会長は世間を騒がせた責任を取り、自ら福島商工会議所の会長職を辞任してひとつのケジメはつけた。さらに建設業界の最高峰である県産連の会長職も辞任すると見られる。自らの会社の会長職も事の成り行きではあり得るかも知れない。
 これまでの「受注体制」を国も県も玉虫色にして見過ごしてきた。日弁連や市民オンブスマンなどは、「国民の税金」を楯に談合問題を糾弾してきた。それに対し、「政・官・業」の癒着の構造は大筋で変わることはなかった。談合問題が問われると官は、「知らなかった」、業界は、「あり得ない」 政は、「分からない」として、この問題を深く追求する姿勢に欠けていた。建設業界は、工事の割り振りを「談合と捉えるのではなく、これはあくまでも“受注調整”である」という形で何十年も行ってきた行為である。そのことは「政・官・業」にあるものは誰もが認めている行為である。にも係わらず、談合問題は「忘れた頃にやって来る」のだ。東京地検特捜部はハリケーンのように突然やって来ては、すべてをなぎ倒して去っていく。大きなものを巻き上げれば早く去っていくのなら、知事の辞任しかない。去っていった跡には崩壊寸前の会社や吹き飛んでしまった会社、さらには傷だらけになった人間が残されるだけだ。結果的には何の解決策も見出すことなく、次のハリケーンを待つのである。
 本当に「談合とはこのことだ!」、「受注調整とはこのことだ!」とする明文化した国のマニュアルがないのが、こうした問題を起こす原因になっている。日本人は“玉虫色”がいくら好きな人種でも、こうしたいい加減さが事件を産んでいるのだ。結果的に本当の犠牲者は建設業者なのだということを訴えない限り、いつまでたっても“負け受け”から抜け出せない。今回の「福島県談合問題」も最終的にイジメられるは、建設業界だけということだ。東京地検特捜部は既に次のターゲットに的を絞っていて、「福島県などハリケーンの通り道でしかなかった」ということになるだろう。
 だがひとつ、建設業界はいつまでも護送船団で「赤信号、みんなで渡れば怖くない」方式は通用しないことを自覚すべきだ。9月から入札の新方式である総合評価方式も導入された。これを機に、市民のひとり、一会社として、地域貢献や障害者雇用、さらに環境対策、ボランティア活動、次世代育成支援、新分野進出等に力を注いでみたらいい。もうここまで、イジメに遭うなら「建設業界よ。さようなら」という手もある。
 お互いに傷口を舐めあっても、「受注調整」が社会から認められない限り、国民の支持を受けない限り、ハリケーンは30年ごとに福島県の建設業界を襲ってくるのだ。何度も言うが、早い終息には“いさぎよい知事の辞任”しかない。(06.9.8)



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