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主幹 富田正廣

『不参加』『辞退』『不調』を無くせ!

 ある民間保証会社が建設業者を対象に行った景気状況意識調査が一般紙に発表になった。それによると「地域、業務内容、企業規模を問わず、先行きは悪化を見込む」という内容だった。また、経営上の問題点からも“受注の減少”と“競争激化”がその理由だと、調査対象業者の80%がそう答え、21%は“資材の高騰”を挙げた。
 その資材高騰の話しだが、ある公団の一般競争入札に参加した土木業者から、「入札会場に行ったら、誰もいないのに驚いたよ」ということを耳にした。「本来は最低でも2社はいないと入札はネ・・」と言うことだったそうだが、結局は一社で入札に参加したという。発注者側との間には価格に倍の開きがあり、結局のところ2回目の札は入れずに辞退した。「何で辞退したの?」と聞く間でもなく、まったく利益のでない工事だったからである。既に発注機関と業界の間には積算単価に大きな隔たりが生じているということだ。鉄筋ひとつにしても加工・組み立てなどを入れると16万から17万でなければできないが、公団の設計単価はせいぜい13万から14万ぐらいしか見ていない。公団発注の5000万円前後の工事では、どんなに逆立ちしてもこれでは採算ペースに乗せることなどできない。油の高騰は建設資材の高騰にも大きく響いている現在、綿密に積算すればするほど不参加、さらには入札不調、辞退に繋がっていくのだ。こうした現象は県や市町村の工事でもドンドン増えている。
 公共事業が最盛期の50%を切った現在で、悪化の原因は、「受注減少」や「競争激化」などと同じことばかり言ってはいられない。国や自治体はもっと現実の動向に対し、敏感に立ち回って、建設業者を育成・指導する義務がある。せめて入札の『不参加』『辞退』『不調』などを無くす対応は、発注機関の専決事項だ。「仕事がない」と巷では騒いでいる反面、「仕事を取りたいけど取れない」こんな事態は異常である。お役人達がこうした形から建設業者をダメにすることは、公共事業を減すと同様、日本の国をダメにすることだ。こんなカタチがあと1〜2年続いたら業者は一体どうすんの。「望み通り消えろ」とでも言うのか。(06.8.17)



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