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主幹 富田正廣

建設業は「環境適応業」であれ!

 公共事業が冷え込み、県内の建設業者はどこも青息吐息だ。県が先日、2回にわたって開いた「建設業農業分野進出研修会」の会場には、県内から100社以上の企業が参加した。この種の研修会は、これまでも地元の経営コンサルタントや県の外郭団体が講師を招いて数多く行われてきた。一度も農業に携わったことのない自称コンサルタントが数回にわたって経営の進め方や取り組み、さらには国や県の助成金や補助金を使うことなどで、如何にも成功事例があるかのごとく説明する会場に行くと、「そんなにうまくいくなら自分でやれ!」と悪たれ口のひとつも浴びせたい気持ちになる。

 今回の研修会はそんな自称コンサルタントの“戯言”を聴くレベルから一歩脱却した『生の声』に参加した建設業者は居眠りをする者は一人もいなかった。それだけ建設業の将来には不安が横切るのだろう。何と言っても最盛期の「福島国体」を境にしていまでは、その半分の公共事業ではどうにもならない。だが、公共事業が半分になっても、建設業者が半分にはならないのがこの世界だ。だから、相も変わらず談合情報や贈収賄事件が後を絶たない。少ないモノを自分の手中に収めるためにはそれなりの手段を使うほかない。だから、今回の水谷建設のような事件も起きてくる。仕事を取るためには手段を選ばない。脱税、裏取引、暴力団、こうした何でもありの会社まで現れる。それに比べて地元建設業者が、農業分野に賭けて、一所懸命に暗中模索を繰りかえして進出を果たした同業者にエールを贈る姿には共感を覚える。
 こうした県の取り組みにもソッポを向いて、相変わらず“談合”に明け暮れる業者には、今回の九州地方を中心に起きた災害が、「福島にも起きればなぁ?」と指をくわえてテレビを見ていることしかできない。「談合」で仕事にありつくことしか頭のない業者の気持ちも分からないわけではないが、時代の流れに逆行しても、いつかは時代の潮流に呑みこまれてしまう。江戸という時代がいつしか明治に変わったように、時代は現実の実態を否定しながら、新しい実態を作り上げていく。建設業も建設業界という枠にだけ囚われていたら時代を見失う。農業分野に進出を模索するのも時代の流れ、業者が合併して時代に立ち向かうのもひとつの生き方である。

 皆さんもご存じだろうが、相馬市の村田建設は「後継者募集」の広告を28日付けの一般紙に掲載した。(=写真)「人間の命には限りがありますが、企業は永遠に発展し続けなければなりません。今般の厳しい建設業界を生き残るために我々は、環境適応業を心掛けなければならない。そのために広い視野と知恵をもった後継者の出現を期待する」という文面だ。建設業者にもさまざまな生き方があるが、これから先も建設業一本で生き抜く決意を、こうして固めている会社もあった。建設業者が前に進むことは、新しい分野に進むこと、柄を大きくすること、法律をすり抜けることだけではないことを教えてくれた。進むことも、立ち止まることも、後退りすることもできない業者にとっては、「ひとつの光明」を見た思いと、「オレもこれからも建設業で生きていく」と多くの経営者は心強くしただろう。だが、どんなときも建設業者は「環境適応業」でなければ生きていけないという関社長の言葉を忘れてはならない。さあ! あなたの会社はどの道を突っ走りますか。(06.7.29)



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