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主幹 富田正廣

合併は「エリア」、「売上」、「人」

 14日の朝、地元一般紙に「秋田組・蒲生工業合併」の文字が踊っていた。建設業界の「合併」が一面トップ記事に躍り出たのである。昨年は県内トップ企業である福島市の佐藤工業と伊達郡内トップクラスの梁川町(現伊達市)の太田工務店が合併、それより一足早く、いわき市の福浜工業と三春町の大一建設が合併したが、トップ記事を飾るほどの話題にはならなかった。だが、今回は、一連の「構造偽装問題」や「東横イン不正改造問題」、さらに「防衛施設庁官製談合事件」と相次ぐ建設業界の不祥事で、話題には事欠かない毎日だ。その合間を縫っての“トップ記事”は、見方によっては的を射た“時期”と拍手を贈るほかない。
 だが、県内建設業界には数年も前から「合併問題」は必至の流れだ。これまで、合併が進まない理由は、業界全体の「何とかなるよ」という楽観視と創設者の「オレの会社」という色濃さが障害となっていた。それに加え、公共事業の大幅な削減は、もはや歯止めを効かなくした。「オレの会社」という意識が色を薄める二代目社長達は、時代の流れを冷静沈着に受け止められてきたからだ。合理的手法を選ぶことは、「存亡を賭けた戦い」が本当に今、始まったと見たからだろう。合併する秋田と蒲生の現社長は、共に腹を割って話せる周知の中、業界内部でも田村方部の県建設業協会員は結束の堅さでは良く知られる。

 田村郡は昨年、5町村が合併し田村市となった。新市建設計画では、警察署誘致、新庁舎建設、緊急医療体制の整備など大型事業が目白押しで、秋田組の在る小野町は、田村郡のひとつの町である危機感、蒲生工業は、拡大した田村市のひとつの会社である不安感を抱えるだろう。さらに、大手ゼネコン、県内の大手建設との競争は当然に激化する。対抗するには、資本力、技術力、生産力の武装化である。それには合併し、本社を田村市(旧船引町)に置かねばならない。当然、先に合併を果たした福島市の佐藤工業、いわき市の福浜大一建設など、田村市に手を伸ばしてくることなど、戦国の「国盗り合戦」では当たり前だ。
 新生・秋田蒲生工業に、いま死角があるとすれば、1つ、国盗りをするにはあまりにもエリアが狭いこと。2つ、完工高35億円が抱える目標50億円到達への険しさ。3つ、100人前後となる役員・社員の数が何年で売上高に匹敵する数に収まるかである。県南で最も早く合併を果たした白河市の福島県土建工業の合併後の課題は「エリア、売上高、人」であった。それをクリアし、さらに会社の底上げを狙うなら、建築工事で比重が年々高くなる電気、機械設備分野との合併である。高度成長期にヌクヌクと育った若者も40代に突入した。そうした層の人間が、完璧な電気設備、空調設備が行き届かない建物に住むわけがなく、買うわけもがない。合併には様々な要素との組み合わせが絡んでくる。両社の合併後に不調和が生じない限り、目標達成に近づくだろう。「本当の合併はコレだ!」という企業に成長することを期待する。(06.2.15)


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