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主幹 富田正廣

「部下任せ、人任せ!」

 福島県は26日、社会問題となっている構造計算による「耐震強度偽装問題」を深刻に受けとめ、県内の検査業務を行う県の出先機関である7建設事務所と県指定検査機関のふくしま建築住宅センターに対し、県の新たな検査方針を通知した。国会参考人質問や証人喚問でも建築主、設計士、施工業者、民間の指定検査機関、コンサルタントなどの責任所在が明確にならないまま、また新たな偽装やズサンな施工体制が明るみになった。耐震強度が1に対し最悪の0.5以下のマンションやホテルが次々と報道され、国土交通省もホームページで連日のように偽装マンション・ホテルを公表した。これまで何とか騙しに騙してきた腫れ物が、ココにきて膿が破裂したような騒ぎになったが、これも起きるべくして起きた問題である。
 県の方針では、構造計算を行った設計者の元請けと下請け関係を明らかにして、施主が県に報告するよう求めているが、建築基準法による定めはない。その構造計算ソフトも国土交通大臣認定のものかどうかというが、ソフトは何十種類とあり、値段も1本あたり300万円もするものもあるというが、その偽装を見破るには莫大な「人と金」を要するはずである。県内である程度は防げたとしても、県外資本の民間検査機関は対象外ということだから、節穴のような“御達し”になりはしないか。この偽装問題の最大の盲点は、“偽装を見抜けなかった検査機関の姿勢”にあったはずである。何度も「おかしいから調べたほうがいい」という良識ある建築士のアドバイスにも耳をかさなかった検査機関の担当者や上層部、そして最高責任者である社長がその責任の重大さを認識せずに担当者任せで放っておいたことだ。どの機関も企業も、「利益優先」、「他人任せ」にしておいたことが、責任所在のハッキリしない原因を作っている。

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