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平成20年度税制改正について
  慶徳総合経営センター株式会社
税理士 慶徳 孝一

 与党の平成20年度税制改正大綱が12月13日に公表されました。翌日14日の朝刊各紙ではその概要について取り上げており、既に皆様もご存知のことと存じます。昨年までと異なるのは、民主党も12月25日に平成20年度税制改正大綱を出していることです。平成20年度税制改正をめぐる審議は「ねじれ国会」の影響で大波乱が予想されます。例年であれば、与党の税制改正大綱が出た段階で皆様に“速報”をお届けしているのですが、今回は民主党の大綱を待って、その方向性をお伝えすることと致しました。
 まもなく、平成19年度の確定申告の時期を迎えます。昨年以前の税制改正が具体的に私たちの家計に影響を与え始めています。すでに終了した年末調整及び平成19年度の確定申告から定率減税が完全に廃止されます。また、所得税と住民税の税率変更の影響で、主に低所得者層の住民税負担が急増し、住民税の窓口に問い合わせが殺到する事態となっております。ここ数年間の税制改正は、中小零細企業を狙い撃ちにした厳しい内容のものが続きました。昨年は比較的穏やかな改正に止まりましたが、それ以前の年の税制改正の実施が昨年以降にずれ込んでおり、それが家計を直撃しているのです。今回出された平成20年度の税制改正大綱には、将来の増税をイメージさせるような内容が盛り込まれております。税収確保のためとは言え、これ以上勤労意欲をそぐような方向に向わないよう祈りたいものです。
 大綱の内容を中小零細企業や個人の目線から見て興味深いものに絞り、以下にご説明を申し上げます。


「個人所得課税」に関する改正点

 昨年改正された「個人の電子申告に係る所得税の税額控除制度」がいよいよ今度の申告から実施されます。名称も「電子証明書等特別控除」と決定しました。サラリーマンでも、電子証明書を取得し税務署から利用者識別番号を貰えば還付を受けられる内容です。但し、電子証明書(住基カード)を発行していない市町村に居住する方は、電子証明書をどのようにして手に入れるかで苦労しそうです。この辺りも今後騒ぎになる要素をはらんでおります。

住宅の省エネ改修促進税制の創設
 居住者が自己の居住の用に供する家屋について省エネ改修工事を含む増改築工事を行った場合に、その工事費用に充てるために借り入れた住宅ローンを有するときは、その住宅ローン残高(1,000万円を限度)の一定割合を5年間にわたり所得税額から控除する制度が創設されます。なお、適用期限は平成20年4月1日から平成20年12月31日までに居住の用に供した分とされます。昨年の改正で盛り込まれた「バリアフリー改修促進税制」や従来からある「住宅借入金等の特別控除制度」と、住宅借入金等特別控除のバリエーションが複雑化しております。
 上場株式等の配当及び譲渡益に係る特例制度の延長上場株式等の譲渡益に係る10%の軽減税率は、平成20年12月31日をもって廃止され、平成21年1月1日以後は20%となりますが、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの2年間、その年分の譲渡所得等の金額の内500万円以下の部分については、10%の軽減税率となります。
 また、上場株式等の配当等に関しても、10%軽減税率は平成20年12月31日をもって廃止され、平成21年1月1日以降は20%となりますが、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの2年間、上場株式等の配当等に対する源泉徴収税率(特別徴収税率)は、10%の軽減税率となります。
 但し、金額制限(100万円)があり取り扱いが複雑ですので注意が必要です。さて、この改正について民主党は異論を唱えています。配当課税の軽減には反対しておりませんが、譲渡益課税の軽減税率は廃止を主張しております。

上場株式等の譲渡損失と配当所得との損金通算特例の創設
 その年分の上場株式等の譲渡所得等の金額の計算上生じた損失の金額があるとき又はその年の前年以前3年内の各年に生じた上場株式等の譲渡損失の金額があるときは、これらの損失の金額を上場株式等の配当所得の金額(申告分離課税を選択したものに限る)から控除します。損益通算の特例は、平成21年分以後の所得税および平成22年度分以後の住民税から適用されます。 また、特定口座を利用している場合も上記損益通算を可能とする措置を講ずることを前提とし、証券会社にシステム開発等の準備を促しております。

「ふるさと納税」制度の導入
 地方公共団体に対する寄付金税制を見直し、寄付金の対象を都道府県・市区町村とし、地方公共団体に対する寄付金の適用下限額である5,000円を超える部分について、地方公共団体に対する寄付金以外の寄付金とあわせて総所得金額等の30%を限度とし、所得税と併せ全額控除する制度の導入です。

NEXST⇒「事業者課税」に関する改正点



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