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提言・古民家再生の重要性について

大村 一夫(福島市)
(株)大和地質研究所代表
 

 私は昭和15年に台湾(台北市)に生まれ、B29の空襲下を生き延び、昭和21年に父の郷里(本籍地)の宮城県に引き揚げ、岩沼・松島・仙台・松島・作並・仙台と移り住みました。小学生の頃の遊び場は空襲によって生じた見渡す限りの焼け跡です。この体験が古民家に引かれる理由なのかも知れません。大学卒業後は金沢・名古屋・大阪・首都圏を点々として、平成2年10月に福島に移り住み、現在に至っております。他所者としての目で福島を見ますと、地震に対しては指折りに強い(安全な)所であるにもかかわらず、京都のような、世界に誇る古い文化財や伝統行事が残存しているようには思えないのです。 

 しかし、県内各地には、日本の伝統工法による古民家が残存しています。古民家は生活の跡を色濃く残す「文化財」なのに、本県では、ほとんどが住居としての現役を続けています。使い続けられている古民家には、匠の技術と人に愛される何かが保存されている価値ある「文化財」と言えます。本来は50年〜60年は持つはずの伝統工法(軸組み工法)の住宅も、昨今では30年保つか保たないかというレベルに落ちていると感じております。
 しかし、「古民家」と称される住宅は少なくとも60年間程度は人が居住して使用されてきたものです。100年を越えるものも少なくありません。自然と長年共生して、人々に安心・安全な生活と思い出を与え続けてきただけでなく、二代目・三代目が家を建てるという大出費をくい止め、豊かな生活を提供してきたという実績を有する「文化財」です。60年かけて育てた木材を使うのですから60年住み続ければ、伐採跡に植えた若木で立て替えられるのです。資源の枯渇は起こり得ないのです。 30年で取り壊すのは資源の無駄遣いに他ならず、「もったいない」のです。古民家は「もったいない」を実践してきたお手本と言えましょう。

NEXST⇒古民家は古い「庶民文化」の生き証人





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