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入札制度改革で地元建設業はどう生きるか!、福島商工会議所で 小川静子氏が講演


 「予定価格は本当に適正なのか、悪いのは建設業者なのか、官の責任は・・・」を共に学び共に考える講演が21日、福島商工会議所建設部会が福島市内の駅西にあるエルティーで開いた。講師に福島県入札監視等委員会のメンバーとしても活躍する行政書士・小川事務所の小川静子氏を招き、「入札制度改革 どうすっぺ建設業!」と題して行われた。演題が入札改革だけに建設部会の会員のほかで多くの建設関連の業者が耳を傾けた。



地元習熟度が必要な工事には地元業者を!


 小川氏はまず、入札制度は時代の流れであり、自治体の入札改革は一連の談合事件発覚後の対策として始まったが、談合は豊臣秀吉の時代からある。談合をなくすため、国は全市町村で一般競争入札の導入を決め、3月末に地方自治法施行令等を改正して国土交通省で策定案を策定しているが、これらの制度改革にあたり、「予定価格は適正なのか」「落札率・談合・競争性」「悪いのは建設業者か」「官の責任は?」「公共事業は誰のため?」「双務契約が方務契約?」「請負(うけまけ)で良いのか?」を参加した建設業者に提起しながら問題点を探った。
 国の今後の方向性として、経審はY評点を中心に大手版と中小版を検討し、今年7月に改正が予定されていることや総合評価方式の見直し、入札ボンド方式の推進で一段と業者の質が確保される方向に進むと指摘した。また、各種専門部会での方向性については、契約当事者の一方だけが債務を負担する片務契約の是正や発注者を評価する仕組みやマネジメントの導入などで発注者責任を明確にすることや能力・評価を重視する発注者体制、さらに交渉方式の導入や予定価格制度の見直し、低入札価格調査制度などの入札・契約方式の導入や見直しの必要性に迫った。中でも専門工事業を重視した調達や地域産業の保護と育成と発注者の責任では、地域要件の緩和などによる上請対策、また、地元の習熟度が必要な工事には地元業者で対応可能な工事であることを明確にする地域要件の明確化にも踏み込んでいる。また、公共サービス改革では、不断の見直しを進めながら、官によるサービスは廃止し、官民競争入札や民間による競争入札を導入することなどが盛り込まれていると語った。

 講演のメーンである“どうすっぺ建設業!”では、「まず、護送船団方式からの脱却であり、新分野進出や建設帰農を図ることもやはりやる気と経営余力ではないのか」と現状からの打破がカギとなると語った。そのひとつとして、PFIで一番多い斎場建設や動きのある公立病院建設や公園整備に新しい手法として注目を集める民間発案型のPFIの導入もある。一刻も早くSPC(関係事業者の出資で設立した会社に一括して委託する方式)が組める土壌を研修や視察で早く作ることだが、現在、東北でPFIが最も遅れているのが福島県であるのは残念とも語ったが、今後は小さなPFIが動く要素があるだけに自分たちで仕事を作り出す働きかけが大事になる」と締めくくった。(07.2.21)
県の入札制度改革ホームページ
http://www.pref.fukushima.jp/nyusatsu_kaikaku/ 


「どうすっぺ!」から「こうすっぺ!」の建設業へ
●取材を終えて
 日ごろから、いろいろと情報交換だけでなく幼なじみということで何事もザックバランに話し合える小川静子さん。 地元福島市で建設業者をメーンにコンサルタントを行っているだけでなく、全国建設関係行政書士協議会のメンバーでもあり、昨年11月には東京・中央区築地にある浜離宮建設プラザで、“行政書士は建設工事紛争をどこまで支援できるか”を問う「建設業の紛争!予防・解決を考える」建設産業ビジョン懇話会でもその存在をアピールした。現在、県だけでなく福島市の入札制度改革の検証委員としても多忙だ。小川氏は常日頃から、発注者側の立場でモノを考え制度改革に取り組むというタイプより建設業者の立場をよく知り尽くすだけあって、委員の中ではいちばん公平・公正に審議できる人だという印象を持っている。    
 きょうの締めくくりの最後に「仕事は組織を使って、探しだし作り出すもの。もっと女性の声に耳を傾ければ仕事はある。例えば、子どものいる主婦の87%は家の中の収納スペースに不満を持っているし、介護が必要な家庭では、段差やトイレ、手摺りなどのバリアフリー対策が住居や店舗では必要。さらに、団塊の世代が大量に退職する時代には家のリフォームや県が新年度から進める二地域居住にも目を付ければ仕事はまだまだある」と結んだ。建設業者はこれまでも「どうすっぺない!」と他力本願で歩んできた節がある。これからは“どうすっぺ!”ではなく、“こうすっぺ!”の道を進まないと 国や県、市町村で急速に進む入札制度改革の中で埋もれていくしかない。(富田)



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