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あなたの家を造らせてください!(5)


〜地元大工さんが“いちばん”というシステムづくりを〜
左より菅原、三浦、大村の各氏、進行・富田
 2005年11月に発覚した「耐震強度偽装問題」で、建築業界は社会の信頼を大きく失った。専門家は、「市民から、この信頼を取り戻すには今後10年は難しい」と分析する。だが、地元で生きる設計士や建築業者らにとって、この信頼の喪失は、ますます苦しい立場に立つことになる。設計士としての誇り、大工職人としての誇りをもう一度、取り戻すためには、“これが家”と呼べるホンモノを提供するほかない。「あなたの家を私たちの手で造らせてください。日本にひとつしかない家を造らせてください」と叫びたい! そんな想いを実現するため“ふくしまの家づくりネット”のメンバーは、それぞれの立場で夢実現のために立ち上がった。今回は、地震を避けない家づくりとはどんな家を造ればいいのか。その答えは、「地元の大工さんが造ることがいちばん!」というシステムを作ることである。 (写真=左より菅原、三浦、大村の各氏、進行・富田)
||| 出席者 |||
● 菅原良彦さん(福島市大森・(有)造建築事務所代表
● 三浦藤夫さん(福島市桜本・三浦工匠店(有)代表)
● 大村一夫さん(福島市中町・(株)大和地質研究所代表)
||| 進行 |||
富田正廣 建設メディア主幹
 
地震来たら避難地より我が家に駆け込め!
 


富田 今回は「地震を避けない家づくり」とは、どんな家を造ればいいのかというテーマについて話し合いたいと思います。まず、地震の専門家でもある大村さんからお話ください ―

大村 8月にメディアネットプランさんの企画のおかげで、郡山市で講演を行ってきました。地震の恐怖とその対策〜地震直後の闇と闘う〜をテーマに話しましたが、福島は活断層がある中ではまあまあ大丈夫だと思います。問題は福島盆地から北なんです。新幹線、在来線、高速道路が北から南に並んで走っていますね。狭い地形に集まっている交通網が地震で一箇所でも遮断されたら、物資の輸送は不可能になります。南の方はどれかが生き残るでしょう。米沢方面は活断層を越えて行かなきゃいけない。仙台方面はダメ。そこで、阿武隈山脈を越えて出入りする道をキチンと造っておく必要があります。特に東方面に向かって阿武隈川を越える橋は大変重要です。

  東京や仙台で地震が発生すれば福島も相当に揺れますから、建物そのものは震度6に耐えられるものを造る必要があります。講演会では地震が来たら建物から逃げ出す対策について話しましたが、本来は逃げないで済む建物を造ることなんです。建物が地震に耐えて壊れなければ、後で大工さんが引っ張ったして矯正できればいい訳です。地震が来れば水や電気は止まってしまいますから、屋根には太陽電池を設置して、少なくても冷蔵庫1個、炊飯器1個、電灯は一箇所、テレビ一台ぐらいはいつでも稼働できる発電量を確保して置くことが重要です。もしも、地震が来たら避難地に逃げるのではなく、ウチに駆けつけろとも言えます。

 こうした家づくりにはお金もかかりますから、3代、4代に渡って住むことを想定して造る必要があります。それは材料と建築費の節約にもなります。それを考えると孫子の代まで住みたいと思うまちづくりが大切になりますね。何度地震が来てもちょっとした手入れ程度で済む家づくりですよ。そのためには金具ではなく、錆びないステンレスを使いたいです。外には太陽電池で青い光を発する電灯で人が住んでいることが分かるようにしたい。発光ダイオードの青は人の心にも優しく、欧州では犯罪率が減ったという調査結果の例もあります。

 人は水や食料を心配しますが、もうひとつ大切なことは排泄物の処理問題です。戦国時代の大阪城攻めでも、近年の戦争でも糞尿の処理は大変だったと言います。最近では公共下水道のマンホールを利用して簡易トイレを置くというのがあります。緊急広場には井戸水を使ってマンホールに垂れ流す事を考えるべきです。公衆トイレの上には太陽電池パネルの街灯を設置して対応する。いま、いちばん安全に電気を確保できるのは太陽光しがないです。必要量の2〜3倍を確保できれば地震が来ても安全が確保できます。地震対策というのは枕元に地震グッズを並べておくことではなく、太陽電池パネルを付けておけば懐中電灯などいらないのです。

  こうした発想をもとに、災害があったら地元の大工さんがすぐに駆けつけてくれる体制をつくれば、東京のプレハブメーカーなどが来て造るとサッと帰ってしまうようなところに頼むよりは、地元の業者が地元に受け入れられるようにすれば、県が進める「地産地消」も実践できます。家というのは、中にある家具類は倒れても本体は壊れない地震と共生できる住宅を造ること、そしてアイデアを持ったシステムと強度が保証できる家づくりにすることです。

 そのためには、強度も耐震強度の基準1.0ではなく1.5くらいにしたい。材料も1本モノを使いですね。屋根も一枚ではなく太陽電池パネルのための屋根をもう一枚かければ、暑さも大夫違いますし、柱も外側に柿市部か漆など、何かを塗れば強度が増すのであれば、それらを数値で示してみることです。基礎土台も高くして腐らないようにすることなど余裕のある設計にすることが大切ではないかと思います。セミナーでは、そんな話しをしてきました。



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