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県が農業分野進出研修会


〜具体性乏しく内容に不満の声〜
18日の建設業農業分野進出研修会の様子
18日の建設業農業分野進出研修会の様子
  福島県土木部が主催する「18年度建設業農業分野進出研修会」が18日、郡山市の県農業研修センターで開催された。研修では農業参入にあたっての注意点や支援体制について説明が行われたが、参加者からは農業分野進出に当たっての具体的なアドバイスが乏しく、異分野進出という重大な決断を迫られている建設業者にとって不安を軽減する内容とは言えないという声が聞かれた。
 福島県では厳しい財政状況を背景に平成10年度以降、建設投資は大幅に減少し続けており、17年度の土木部予算額である1,354億円は、10年度の3,295億円と比較して4割にまで縮小している。一方で、県内の建設業者の数は、それほどは減少してはおらず、公共建設工事の受注をめぐる競争は激化している。
 一方で、福島県内の農業の現況は、農業従事者の高齢化、後継者不足などから「耕作放棄地」となっている田畑が、この10年で5倍に増加しているという。こうしたことから、県では雇用過剰に悩む建設業者を対象に農業分野への進出に向けた研修会を実施している。
 県の建設業新分野進出支援事業は16年度から始まったもので、3回目となる18年度の研修会には農業分野の進出に興味を持つ県内の建設業者75社から100人ほどが参加した。16、17年度は農業以外の分野を含めた研修内容だったが、特に農業分野への進出に興味を持つ建設業者が目立ったことから、18年度は農業分野に特化して研修会を開催したという。

 研修会には県からは土木部と農林水産部の担当者が出席、法人が農業経営を目的に農地の権利を取得するために必要な「農業生産法人制度」に関する概要や「特定法人貸付事業」をはじめとする各種支援体制などについて説明が行われた。
 しかし、「農業生産物の販路をどう確保するか」、「農業分野の進出によって現在の社員の雇用はどれだけ守れるのか」、「所得の見込みはどうなのか」といった、より具体的なアドバイスを期待して集まった建設業者も多く、法律上の制度の説明に終始した今回の研修会には失望の声も聞かれた。
 こうした声に対して、県では7月26日の第2回研修会で実際に農業分野に進出している企業の事例説明を行うほか、第3回以降は各企業に農業参入プランを提出してもらって個別相談に応じることなどを予定していることから、研修内容への不満は次回以降、少しは軽減されるのではと説明する。
 しかし、会社存亡の岐路に立ち、藁をもつかむ思いで研修に参加している企業に対して、農業も会社経営の経験もない県の職員がどれだけ実践的なアドバイスができるかという根本的な疑問は拭えない。県側も建設業の進出分野として農業に特化すべきかどうかを含め、県内の建設業者を今後どのように導くべきか暗中模索というのが偽らざる実態である。(06.7.19)



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