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社会・経済環境変化じたたな戦略


〜県商議所連合会の講演会で2氏が講演〜
13日の講演会の様子
13日の講演会の様子
福島県商工会議所連合会が主催する講演会「『地域再生のために』〜県民総参加による特色ある地域づくり〜」が13日に福島市で開催された。講師として国土交通省国土計画局総務課の石井喜三郎課長と独立行政法人都市再生機構の小野邦久理事長を迎え、福島県をはじめとする地域再生のための取り組むべき課題について講演した。

||| 建設業界再生のカギは「コンパクトシティ」と「景観」 |||
 国土交通省国土計画局総務課の石井喜三郎課長
石井喜三郎(いしい・きさぶろう)
国土交通省国土計画局総務課課長。昭和30年岐阜県生まれ。東京大学法学部卒業後、昭和54年建設省入省。住宅局住宅政策課長、都市地域整備局都市計画課長、都市地域整備局まちづくり推進課長などを経て平成17年8月より現職。

 石井喜三郎課長は、「国土の将来像と地域の活性化」と題して講演した。石井課長は、加速度的に進む少子高齢化、国・地方とも厳しい財政状況、中国経済の急激な成長による国際競争の激化など日本を取り巻く社会・経済状況の変化を踏まえたうえで、今後、日本ではかつてのような右肩上がりの成長は期待できないことを説明、状況の変化に応じた新たな成長戦略が必要であると語った。特に建設業では、厳しい財政状況などに加え、これまでの建設ストックの維持更新費用が高まっており、新たな公共建設投資はますます先細りにならざるを得ない見通しであることを説明した。このため、建設業界にあっては、公共事業頼みの体質から脱却し、リフォームといった新たな需要分野の開拓が不可欠であると語った。
 そのためのヒントとして、公共投資を中心市街地に集中させ、投資効率を高めるとともに高齢者などが歩いて暮らせる街づくりを目指すいわゆる「コンパクトシティ」の考え方や、街の美観を考慮した電線地中化や統一の取れた町並みを志向する「景観を活かした街づくり」の考え方を挙げた。これからは、こうした都市再生事業に建設業の生き残りのカギがあるとした。
 また、コンパクトシティや景観を活かした街づくりを推進していくには、行政主導ではなく、地域の住民が積極的に参加することが重要であることから、官民の垣根を超えた横断的な取り組みが必要だと語った。

||| ダンピング受注は絶対に避けるべき! |||
 独立行政法人都市再生機構の小野邦久理事長
小野邦久(おの・くにひさ)
独立行政法人都市再生機構理事長。昭和16年東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、昭和39年建設省入省。建設経済局長、大臣官房総務審議官、大臣官房長などを経て、平成13年に初代国土交通事務次官。退官後、平成17年より現職。

 一方、小野邦久理事長は、「今後の公共投資と地域再生」と題して講演を行った。小野理事長は、厳しい財政状況などによって公共投資が抑制されている現状について、欧米と比較して日本ではまだまだ道路整備率などが低く、特に経済基盤の弱い地方では、大規模工場などの立地による地域再生のためにも、高速道路や港湾といった社会インフラを戦略的・長期的な視野に立って整備していく必要があるとした。
 また、最近、新聞・テレビなどで盛んに取り上げられている公共事業の入札における落札率について語り、談合問題について日本以上に敏感なアメリカ合衆国でも、平均落札率は95%前後で推移しており、日本の落札率が高いことが即談合の証拠であるかのようなマスコミ報道は疑問であると語った。
 さらに、公共事業の縮小の結果、建設業界で問題となっているダンピング受注について、建設業は請負価格が正当に品質に反映する業界であり、安く請け負った場合、発注者の期待する工事品質は維持できないことを語り、業者間におけるダンピング合戦は公共工事の質を低下させるばかりでなく、雇用の面からも重要な役割を果たしてきた建設業界を疲弊させてしまうため、絶対に避けなければならないとした。
 地域再生については、無用の長物と言われた山林を地域おこしに利用して成功している宮崎県綾町やレタスを中心とする夏野菜供給で活性化を図っている長野県川上村の例を挙げ、これからはそれぞれの地域がそれぞれの特色を活かして自主的な創意工夫を重ねることが何より重要であると述べた。(06.5.15)




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