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あなたの家を造らせてください!


〜“これが家”と呼べるホンモノを造るには〜
左より菅原、三浦、(富田)、大村の各氏
 2005年11月に発覚した「耐震強度偽装問題」で、建築業界は社会の信頼を大きく失った。専門家は、「市民から、この信頼を取り戻すには今後10年は難しい」と分析する。だが、地元で生きる設計士や建築業者らにとって、この信頼の喪失は、ますます苦しい立場に立つことになる。設計士としての誇り、大工職人としての誇りをもう一度、取り戻すためには、“これが家”と呼べるホンモノを提供するほかない。「あなたの家を私たちの手で造らせてください。日本にひとつしかない家を造らせてください」と叫びたい!そんな想いをそれぞれの分野の立場で語り合った。(写真=左より菅原、三浦、(富田)、大村の各氏)
||| 出席者 |||
● 菅原良彦さん(福島市大森・(有)造建築事務所代表)
● 三浦藤夫さん(福島市桜本・三浦工匠店(有)代表)
● 大村一夫さん(福島市中町・(株)大和地質研究所代表)
||| 進行 |||
富田正廣 建設メディア主幹
富田 マンション・ホテルで多く耐震強度偽装が発覚して半年、その関係者の逮捕は時間の問題となっています。この問題が起こったことを“対岸の火事”として眺めていられないところに地元の苦しさがあります。国民の多くは、何を信じて家を買ったり、造ったりすればいいのか分からないでいます。その信頼を取り戻すには、これまで以上に透明性と正当性が求められると思いますが ―
三浦藤夫さん(福島市桜本・三浦工匠店(有)代表)
三浦 その通りで、国民はこの問題を十把一絡げにして考えていると思います。わたしども地元建築業者は、何をコンセプトとして家を造り、信頼をどのように回復していくかが大切になります。これまでのような簡単に造って、簡単に壊せるような家はやめなくてはダメだと考えています。そのひとつに安心と安全を絶対の基本として、職人の技が随所に生かされてなければ家のモデルにはなりません。全国どこでも同じような家づくりならプレハブメーカーさんにかなうはずがありません。地元が大手プレハブメーカーと戦うためには、独自性のある在来工法、軸組工法にあると思います。地元の風土や気候で育った地元の木を使うことがいちばんです。これが、“ふくしまの家”だという差別化を打ち出すことが、これからの生き残りに繋がりますね。

富田 ところで、県産材が県内の家づくりにはどの程度、福島の木が使われているのですか ―
三浦 家一軒造るのに全体の10%から20%しか過ぎません。立派なスギやヒノキを育てるには多くの時間と労力を必要とします。立派な木に育つまでは適度な間伐が必要です。これを怠ると木に枯れ枝が発生し、良い木には育たず製品の時に“死に節”となってしまいます。また、外材が安く出回っていることから、林業者には大きな打撃となり、経営には農業者と同様な悩みを抱えています。林業者が良い木を育てるためにも、利益になる間伐材の大断面集成材や積層耐震壁材の加工材としての利用法を真剣に考えるべきです。私は、山を持っている方と組んで、スギ、マツ、クリ、ヒノキといった木を植えて、動植物から自然を守ることも大切だと考えています。県は林業者の育成と拡大を図る上からもブランド材「とってお木」の普及に務めていますが、こうした木材を利用して県民も家づくりに協力して頂くこと、さらに我々建築業も県産材の普及拡大に努力することは言うまでもありません。



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