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蓬莱のまちづくりシンポを開催

 NPO法人循環型社会推進センターが主催する『蓬莱のまちづくりシンポジウム』が18日、福島市の蓬莱地区学習センターで開催された。足立区の東和銀座商店街振興組合理事長として、独創的なまちづくり活動を行っている田中武夫氏が基調講演を行ったほか、蓬莱団地の住民や学識経験者を交えて現在の蓬莱団地が抱える問題や改善策を話し合うトークセッションが行われた。

〜商店街は植物、きちんと根を張り豊かな街づくりを!〜

基調講演で熱弁を振るう田中武夫氏
基調講演で熱弁を振るう田中武夫氏
 「やる気を起こすきっかけづくり」と題して基調講演を行った田中氏は、昭和53年に東和銀座商店街振興組合理事長に就任、以来、それまでの商店街では考えられなかった独創的な活動を進めてきた。
 全国の多くの商店街と同様、東和銀座商店街でも近隣に大型スーパーやデパートが出店して以来、若い世帯を中心として商店街の客足が遠のいており、かつての賑わいからは程遠い状態にあるという。こうしたなか、田中氏はどうすれば東和銀座商店街が生き残れるかを真剣に考え、その結果、徹底した地域活動しかない道はないと感じたという。
 昭和61年、それまで足立区が運営していた区立学校の給食が民間に委託されることになった。当時、東和銀座商店街には、飲食店はそば屋ぐらいしかなかったが、田中氏は、地域の子どもたちにはその地域の人間たちの手による安全安心な食事を与えたいとの考えから、商店街で受託することを区に提案した。区では当初、難色を示したが最終的には田中氏の熱意が通じ、現在では小中学校や保育園を合わせて15校の給食を受託しているという。
 また、外出の困難な一人住まいの高齢者に対して、弁当の宅配サービスを行ったり、個人商店の魚屋が店を辞めることになった時には、「商店街から魚屋が消えては地域住民に迷惑をかけてしまう」との考えから、商店街が家賃や電気・水道料金を負担することを条件に新たに魚屋を開店させた。

  さらに、現在、力を入れているのが、地域の「よろず相談所」としての役割だという。高齢者の粗大ごみの処分に関する相談から地域の道路整備に関する行政に対する陳情まで文字通り住民のよろず相談を受け付けており、「買物は大型スーパーでもよいから、相談事は商店街に」をモットーに活動を行っている。
 こうした一連の活動には、一部足立区から補助金も得ているが、それでも営利活動としては完全に赤字の状態だという。しかし、田中氏は、こうした損得勘定を超えた活動こそ、いまの商店街にとって大切なものだと力説する。商店街の組合員からは、利益に直結しない活動に反対する声もあったが、「住民にとって“良いまち”をつくるには、商店街の損得勘定を抜きにした活動が不可欠」という田中氏の強い意志のもと、住民の商店街に対する支持が得られれば、必ず客足は戻ってくると信じて活動していることを語った。
 「大型スーパーは生き物で言えば“動物”であり、餌がなくなれば他の場所に移動できる。これに対して商店街は“植物”であり、移動はできず、地域が衰退すれば商店街も死んでしまう。だからこそ、商店街はきちんと地域に根を張って豊かな街づくりに貢献しなければならない」と講演を締めくくった。



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