市民〔citizen〕と結ぶネットマガジン!
建設メディア「MEDIA」
Home >News!

どんな地震でも、家は柱で持たせろ!

  ある地元の中堅住宅メーカーが「地震に強い住宅」を売り出した。そのチラシを持ったBさんを囲んでテーブルに3人が集まった。敢えてこの3人を棟梁のAさん、住宅に詳しいBさん、そして住宅には案外無知なCさんと名付ける。どことなく美味しそうな「このチラシ」を囲んで、チラシの検証や参考になる話しが飛び出した。これから「家を建てよう」と考えている若夫婦、定年退職者、いやいや市民の皆様のためにその会話をまとめた。(写真と記事は関係ありません)


アンカーボルトも飛び出す危険がある

Cさん=このチラシにある耐震の「等級1」とか「等級2」というのは何なの?

Bさん=これは阪神大震災が起こったときの震度は6〜7度だったので、これを基準にして決められたんだ。あのときの震度を「等級1」と決めて、その1.25倍を「等級2」、1.5倍が「等級3」と表示されている。「等級3」と表示してあれば、「わが社の家は絶対に倒壊はしない住宅です」ということになる。

Aさん=この写真から見る限り、この住宅には筋違(すじがい)が入ってない。これでは震度5でも倒れるよ。壁材は強度に強い2.5倍ある○○パネルを使っていると表示されているが、プレカット工法はクギを使うので、これではクギが抜けて壁がバラバラに剥がれる可能性が高いね。それに2×4工法なら素人でも簡単に施工できる。この家は、鉄筋入りベタ基礎工法だけど、阪神大震災後は地震に強いということで主流になってきた工法だが、アンカーボルトが直下型地震なら飛び出す危険性があるので、そこがどうしても問題となるね。家は土台から劣化するから、ヒノキを使っている点では、まあ、一安心というところかな。



農家の構造「田の字工法」こそ、理想の家

Cさん=家が倒れるのは土台に問題があるということか。どうすればチェックできるかな。

Aさん=本来は床下を高くすることが大切なんだ。潜ってチェックすることで 、床下の手抜き工事や余計な取付け器具などが発見できるし、シロアリのチェックだってすぐにできるよ。それに畳の下の床は、以外にお粗末になりがちだけど、このチラシの家は“四重貼りの床”になっているので、これは良いよ。柱が全部四寸の構造体になっているのは、耐震性を高める点では合格だね。家は柱で強度を保つことが大切だから。
 昔の農家の構造は、「田の字工法」と言って、隅々に大きな柱を立てて、家の中をあまり仕切らなかった。これは家の中の風通しを良くするばかりではなく、こども達にも目が行き届いた工法なんだ。家の中を空気が動くということは、家を長持ちさせるにも大切なことだ。空気の流れは車と同じでとても大切なことだよ。



これからの家づくりには地盤調査は絶対必要

Bさん=住宅にとって大黒柱の基礎は大変大事なんだ。基礎がキチッとなってないと飛び出してしまう。そのためにも、地盤調査は絶対必要だよ。どんな立派な家でも地盤が安定してなかったら倒壊の危険性は高くなる。だから、建築屋さんに頼んで工事の前には必ず地盤調査をやって貰うことだよ。男にとって、一生に一度の大きな買い物だから、自分で調査会社に頼んで調べて貰うことも大切だよ。

Cさん=これだけ地震が来ると本当に怖いよ。あまりチラシに洗脳されてはダメだけど、大手メーカーはチラシ作戦で大いに売りまくっているね。ところで地元の工務店さんはどうしているの。
Aさん=ソコが問題だ。どうしても地元の工務店はお客様に対するアピールが下手なんです。プレハブメーカーとの競争に勝つには材質の良い太い柱を使って家を造ること。「家は柱で持たせる」という従来工法の持ち味を生かすことが大切です。そして、瓦の屋根を使えば雨の音も聞こえないし、夏は涼しく、冬は暖かい快適な家ができることをアピールしなければならない。
 県は「地産地消」を推奨していますが、県内には一箇所で材料を買う場所がないのがとても残念なんです。県はこうした政策にも力を入れて取り組んで欲しいと思っていますよ。それを訴えるべき、地元大工さんの団結はまだまだ弱いので、プレハブメーカーに負けないような組織づくりが求められている。



本来は棟梁自ら、お客様を説得することが大切

Bさん=本当は地元の風土・気候、慣習などは、地元の工務店さんは良く知っているはず。福島の家は福島の木を使って造ることがいちばんということもお客様にトコトン説明すべきだね。どうしても若い夫婦はテレビコマーシャルやチラシを見て、イメージが膨らんでパッと契約してしまうことが多い。本当はじっくりと時間をかけて福島にあった家、100年持つ家を造るべきなんだ。

Aさん=本当の家づくりは、住宅メーカーのセールスマンでは説明できないことなんだ。本来は棟梁自ら、お客様を説得することができればいちばん良いこと。もっと後世に残る本物の家を残すには、後継者の育成も大事だけど、自らも自分の腕に溺れずに磨きをかけていかなければならない。このままでは、プレハブメーカーとの差が開く一方になる。

Cさん=我々も日本の風土、住んでいる場所にあった家づくりを考えればダメだね。“日本列島全部金太郎飴”のように規格統一された家づくりが良いかどうかは賢い消費者の選択に任せて、地元はもっと団結と強調を持って戦わないとね。(05.10.6)



Copyright (C) 2001-2005 Medianetplan Co.,Ltd. All Rights Reserved.
このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。