“知的財産”でタウンミーティング!
県が積極的な知財活用で地域振興


 福島県などの主催による「知的財産タウンミーティングin福島」が9日にビックパレットふくしまで開催された。知的財産立県を目指す福島県が県民に知的財産と県の施策について理解し、知的財産を生かした企業経営を推進してもらうことを目的に開催されたもので、会場には180人ほどの聴衆が集まった。
 内閣官房知的財産戦略推進事務局参事官の嶋野邦彦氏が「知的財産制度を利用した地域活性化」と題した講演を行い、知的財産の活用が大企業から中小、ベンチャーへと広がっていることや業種も製造業から建設、農林水産分野へと広がっている事実を説明した。
 続いて壇上に立った県商工労働部長の村瀬久子氏は、「福島県の知的財産戦略構想」という題で、知的財産権に関する福島県の現状と課題について講演した。この中で「福島県は言ってみれば『イチロー』のようなもの。単打ばかりで場外ホームランがない」と指摘し、福島県の代名詞となるような付加価値の高い産品の創出の必要性を強調した。
 その後の「先端創造技術と知財で活力ある企業へ」をテーマとするパネルディスカッションでは、知財を活用した経営の第一線で活躍する企業経営者や弁理士らが自らの具体的事例や経験を交えて、知的財産の意義や活用方法などについて紹介した。パネリストからは、「特許は単に登録するだけの自己満足では意味がない。その特許を活用して利益を生み出すことこそが次の知的財産の創出につながる」といった意見が出された。詳細については追って掲載します。

●パネリストは以下の通り(敬称略)
 ▽小沢喜仁(福島大学教授・地域創造支援センター長)▽中西幹育(鈴木総業顧問)▽福島正則(福島パルス代表取締役社長)▽藤島寿(藤島建設代表取締役社長)▽水野博文(弁理士、日本弁理士会東北・北海道部会副部会長)▽古関宏(弁理士、経済産業省産業構造審議会商標制度小委員会臨時委員)▼コーディネーター・佐藤辰彦(弁理士、日本弁理士会総括副会長)(05.2.12)


【取材メモ】

 知的財産権については、当「建設メディア」でも幾度か取り上げてきたが、県内への浸透の度合いはまだ道半ばといった感じだ。今回のタウンミーティングへは180人ほどの聴衆が集まったが、このうち、半数は福島県などの官庁関係の人間であり、残る半数のうちパネリストの関係者などを除くと、その数は福島県が期待したほどの数には至っていない。一般には「知的財産権」はまだまだ耳慣れない言葉であり、一部の大企業の専売特許のように考えられているのが現状だ。県内の民間企業の99.9%を占める中小企業の経営者らが今後より多く、より早く「知的財産」を自らの事業を左右する言葉として認識するかが県が目指す「知的財産立県」へのカギとなる(T.S)。