福島県の17年度当初予算案を探る!
公共事業費2.9%減の1660億円

 福島県は、このほど総額9,250億3,500万円の17年度当初予算案を発表した。対前年度比で154億円、1.7%の増加で、12年度当初予算以来5年ぶりの増加に転じたが、国民健康保険への都道府県負担の導入など特殊要因による増加を除くと実質的にはマイナス2.3%となった。歳入面では法人事業税の増加などによって対前年度比2.5%増の1,996億7,400万円を確保したものの、国庫支出金が1,382億1,500万円(対前年度比11.9%減)、地方交付税が2,324億6,200万円(同0.1%減)と国の「三位一体の改革」のあおりをまともに受けたかたちとなった。
 一方、歳出面では、投資的経費が1,919億1,800万円となっており、このうち、補助事業が公共事業や社会福祉施設整備事業などの減少によって対前年度比10.8%の減少となったのが目立った。また、県単事業については、県単公共事業は減となるものの、学校などの整備費が増加することなどから、全体としては対前年度比0.2%の減少にとどまった。
 公共事業費は対前年度比2.9%減の1,660億7,505万円で、農林水産部が公共事業529億0,206万円(4.2%増)、県単公共事業30億5,576万円(3.8%減)で計559億5,783万円と4.2%の伸びを示したのに対し、土木部では公共事業702億5,998万円、県単公共事業312億7,077万円、維持補修費85億8,646万円と合計1,101億1,722万円と6.1%の減額となった。

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【取材を終えて】
 予想されたことだが、17年度当初予算案のうち公共事業費は本年度に比べ2.9%減、金額にして49億3,700万円下回る1,660億7,505万円と、建設業界にとってもやはり厳しい内容となった。県の財政が逼迫する中、地方交付税の大幅な減額という新たな重荷を抱え、こうした超緊縮予算はいたしかたないところだ。ただし、気になったのは「建設業新分野進出等支援事業」の事業費がわずか190万円余りで、県として県内の建設業者が異業種へ参入することを支援する熱意が感じられないことだ。
 近年の建設不況を背景に建設業者が農業や福祉分野など異業種への参入を試みる事例が増えている。公共事業というパイが小さくなっている以上、「建設」だけでは企業として生き残れず活路を開くために経験のない未知なる取り組みを始めているのだ。「公共事業は建設業者のためにやっているのではない」という声も聞こえてきそうだが、99.9%までが足腰の決して強くない県内の中小建設業者にとってすれば、公共事業の増減はまさに死活問題である。パイが全員に行き渡らないのであれば、建設業者の自然淘汰が進むのは自然の理だが、新事業へのスムーズな移行を支援するのも行政の役割である。建設各社の「自己責任」の名のもとに行政自らの責任を放棄し、体力のない中小建設業者を一方的に切り捨てするような事態は避けて欲しいところである(T.S)。

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