「アグリ特区」に新分野進出を探る!
新・福島商工会議所の建設業分会

 福島商工会議所の建設業部会(小野憲一部会長)が11月5日、市内で開いた講演会は厳しい経営環境が続く建設業の新分野への進出を促すものだった。同会議所の新会長となった佐藤勝三氏が会長を務める県建設業協会はいち早く、終身滞在型マンション「涼風苑飯坂」 などを立ち上げ福祉介護分野に進出したが、新分野進出は福祉介護に止まることなく、環境分野や農林分野などすそ野を広げてきた。今回は当メディアでも何度か取り上げてきた『喜多方市アグリ特区』で農業進出を果たした建設業者と、農地貸付方式で株式会社などに農業経営の参入を容認する「特区」を政府に働きかけた喜多方市の取り組みが紹介された。
 その中で現在、借り入れ面積32,814平方メートルで加工トマト、タラの芽などを栽培する大建工業の遠藤弘社長は講演で、「農業に参入した理由は以前より関心を持っていたことだが、子ども達が“切れる”状態になることもやはり食料の変化にある。日本の農産物の自給率アップという個人的思想がある。現在は人件費に食われているが、5年後には黒字に転じる自信はある。心配なのは5年契約が切れたあとのことで、投資分だけが残るのでは参入した意味がない。本業である建設業はこれまで以上に拡大をめざす一方で、生産性の高い作物の育成に務める。ただ、資本力の乏しさが最も苦悩するところで、農業部門は本業からの資金支援を行うなど困難が続く」と胸の内を明かした。だが、「農業に関する知識、地域との交流、民間営業の拡大、生き残りのための社員の意識変化などメリットの多さも認めた。また、特区は規制緩和を目的に設立されたが、各省庁の横の繋がりがないことや、特区そのものに対する規制緩和が確立されてないための異業種参入のメリットがあまりにも貧弱、細部での規制緩和を訴えた。

■喜多方市アグリ特区
http://www.city.kitakata.fukushima.jp/info/inf_aguri.html
■喜多方市「アグリ特区」の試み
http://www.pref.fukushima.jp/nosanson/yukyu/aiduzirei/kitakatatokku.htm
■建設企業の農業進出に関する研究資料
http://www.pref.nagano.jp/doboku/kanri/kensetu/kouzou-kaikaku/nougyoukenkyu.pdf
■建設メディア過去の参考記事
http://www.medianetplan.com/031210/003.html

《一言言わせて!》
 公共事業が減少することは平成8年の福島国体が終わった頃から囁かれてきた。大手建設業の不祥事発覚から転げるように建設業は厳しい経営環境に直面した。「生き残り」「勝ち残り」などあらゆる言葉がマスコミに登場し建設業者に刺激をもたらした。だが、新分野進出で生き残りや勝ち残りも遠藤氏が語るとおりである。喜多方市は「アグリ特区」という特例措置を国から得て、建設業に農業参入という門戸を開いた。
 だが、福島市の建設業者にその門戸は開かれていない。福島商工会議所ができることはこうした中小企業に対し積極的な活動を行うことだ。福島市内にも農家の「遊休地」は山ほどある。福島商工会議所はこれまでやらなかったこと、できなかったことを新会長の下で「ヤル!」ことである。職員は机上の空論を語る時間を街に田舎にと足を運び、会員の声を聞き、それを行政に跳ね返すことだ。「会員は何ができるかではなく、我々職員はなにをすべきか」を肌で捉えることである。(04.11.19)