大学は何を持ち、企業は何を求めているか?
新生福島大学が郡山圏域企業と連携を模索!

 福島大学は理工系の創設と全「学部」改革で10月1日に“新生福島大学”としてスタートを切ったばかりだが、14日には郡山地域テクノポリス圏域との『産学連携フォーラム』を実現し、国立大学法人としての存在を強くアピールした。会場となった郡山市のホテルハマツには企業関係者をはじめ大学教授・学生など120名が参加した。
 まず、永倉禮司副学長(東邦銀行出身)が、「大学には予算はあるが自由に使えるお金がないのが現実。会津大学や日本大学にはないものを打ち出していかないと大学も生き残れない時代。そのためにも地域貢献をすることが最も大切なこと。郡山の企業と福島大学の連携を図っていきたい」とあいさつ。続いて郡山商工会議所の会頭で郡山地域テクノポリス推進機構の大高善兵衛理事長が、「大学は何を持っているのか、また企業は何を求めているのかがスタートを切った出発点となるはず。それだけに企業の期待も大きいが、大学と綿密な協議を持ちながら、連携を図っていきたい。もともと、郡山のマチはモノづくりから出発したマチだが、いつしか商業のマチとなって、景気が悪いと火が消えたようになる。基本はモノづくりだとおもうので、産学官のなかでマーケッティングができることを期待したい。テクノポリスもお金はないが、知恵を出して地域社会に貢献できるとともに、お金をつくることに力添えをお願いしたい」と歓迎の言葉を述べた。
 引き続き八代勉教授が福島大学再編と地域創造支援センターの紹介をしたあと、「福島大学に期待するもの」と題し郡山市の(株)エヌケー製作所の内藤清吾社長が意見を発表した。また、共生システム理工学類のシーズ紹介では3人の教授らが事例を発表し、経済経営類のシーズ紹介では、企業経営専攻の三崎秀央助教授から「経営戦略」についての事例紹介をおこなった。
 また、フォーラムに参加していた郡山市の建設会社の社長は、「これまで通りの建設業では飯の食い上げだ。いろいろなケースを考えてみたいと参加した」という。箱モノや公共事業に頼らない建設業をもう一度模索する必要がある中で、特に内藤社長と三崎助教授の発表は次回から掲載します。

■ 新生福島大学ホームページ
http://www.fukushima-u.ac.jp/saihen/newf.index.html
■(株)エヌケー製作所ホームページ
http://www.nk-g.co.jp/

実験棟の新築と自然棟の改築に総額約24億円

 新生福島大学は平成17年4月から新体制での新入学生を受け入れる。そのため同大学では現在の教育学部自然棟の北側に17年度から約14億円を投入して、SRC造7階建て、延べ4700平方メートルの研究実験棟を建設するほか、18年度は、実験棟と連結してSRC造7階建ての自然棟を改築する。これらに係わる設備費約9億5000万円も文部科学省の17年度の予算概算要求に盛り込まれ国や県などの支援を仰ぐ考えだ。

取材を終えて一言
 休憩中に福島大学事務局に勤める後輩と話した。建設業にもっと参加できる分野があるという。例えば、高齢者の世帯や老人施設などに介護ロボットを導入するために人間支援システムとの共同研究や、特定の農協や生産者とカット野菜の生産に参入するために生産システム工学との新事業の創出など、まだまだ取り組むべき分野がある。建設業者が大学との連携を模索するのには今がいちばんのビジネスチャンス。遠慮なく大学の地域創造支援センターの門を叩いて欲しいと言うことだ。建設業関連業者にとってこうしたフォーラムへの参加はますます重要な部分となりそうである。(04.10.18)