医・工連携ビジネスに建設業のチャンスは?
高齢化社会と知的財産権に将来を賭けろ!

 高齢化社会がもたらす有望なビジネス分野と黙されるのが医療・福祉機器産業界だ。だが、産業界からは見れば、医療・福祉現場との接点は非常に少なく、研究開発や新事業創出になかなか結びつかないでいた。さらにビジネスチャンスとともにますます必要とされるのが知的財産権。9月24日、郡山市のホテルハマツで開かれた「医・工連携フォーラム」にも建設業界にとっても、新しいビジネスが広がるのではないかと注目した。
 主催者である郡山地域テクノポリス推進機構、日本大学工学部工学研究所などが医療と福祉のビジネスチャンスとして、まず「高齢者介護の現状と課題」をテーマに講演したのが、郡山市の総合南東北病院リハビリテーションセンター科長の山口和之氏(理学療法士)だ。
 山口氏は「医療と介護の分野の人たちだけで物事を考えていても解決しない。ちかごろ、いろいろな分野の人たちとのお付き合いが増えたことは、昔では考えられなかったこと、大いに歓迎することだ。特老などの施設で暮らす高齢者は県内に9000人ほどいるが、これだけでは済まない時代が来る。病院で寝たきり(寝かせきり)の老人が増加している。これはベッドで何でもやるから寝たきりが多くなる。ベッドから早く離れる『早期離床』が最も大事なこと。そうすれば医療費は現在の半分になり、族議員が喜ぶ公共事業が増えていくことにもなる。イヤイヤでなく、家庭で生活ができることが一番大切になる。帰りたくとも帰れない老人がほとんどだが、家で普通の生活ができるようにと、二本松市のある木工所と連携して、ベッドの周りの棚など介護に必要な商品を下請けで作ってもらっている。これからは“住み慣れた地域で住むシステムづくり”が最も大切で、老人に生き甲斐とやりがい、そして障害をどのように取り除いていくかが、「バリアフリーの原点」と熱く語り参加者の協力を仰いだ。
 また、「日本産業のものづくりの原点は、『品質、コスト、スピード』。だが、最近の中国がこれらの要素を取り込んで、日本を脅かす存在となってきた。これらに唯一対抗できるのが『知的財産権』だ。優秀な社員がいて、良い技術で、良いものを造っていれば売れると思っている企業経営者ではもはやダメ。知財は企業経営に最も大切な資源となり、ビジネスに欠かせないモノになる」と説くのは特許などの実践豊かなシステム・インテグレーション(株)の多喜義彦氏。
 多喜氏は「産学連携による新事業! 成功の秘訣は知的財産」のテーマで講演し、さらに、「ものづくりの情報はいまや世界中に行き渡っている。土木・建築業や農林水産事業にも知的財産権が重要になる。やっていないことで、これらの業界はヘロヘロ状態だ。これらの事業こそ“知的財産権”の導入は必要なこと」と指摘した。また、「医療・福祉機器産業の現状と将来展望について」をテーマに、経済産業省商務情報政策局サービス産業課の近藤裕之室長補佐が講演した。(04.9.27)

■知的財産権とは
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