《インタビュー》

地域の『活力、再生』に挑む福島丸公
初の借上市営住宅・早稲町団地完成!

 マンション建設や旧ホテル・デパート・商工会議所等の大型改修工事が進む福島駅前東口周辺。だが、同じ駅前でも人の流れは大町、中町などに比べると一目瞭然なのが、平和通りを挟んだ早稲町、五月町、清明町周辺。その一角に9月1日オープンするのが「早稲町団地」(別名=ラ・ヴィバレ)だ。福島市が昨年度から国土交通省が打ち立てた「借上市営住宅制度」を利用した建物で、内部には住居、スーパー、飲食店、さらにクリニックが入居する。すでにオープン前から借上住宅の40世帯全部が入居を済ませた。
 沈滞化する商店街と高齢化を迎える町内会の「活性化と再生」に敢えて取り組んだのが、福島丸公グループ代表の石本朗氏だ。石本氏は60年以上にわたって家業を営んできた地域への恩返しと、これまでの取り組みを本社主幹と語った。(写真=オープンするラ・ヴィバレとすべて入居済みとなった3階〜10階の市営借上住宅分)
●建物規模−鉄骨造10階建て、延べ5062平米 1階〜2階テナント、3階〜10階共同住宅、●設計−(有)フォルム建築計画(福島市入江町)●施工−菅野建設 ●建築主−福島丸公商事(株)(代表取締役 石本朗)●管理−まちづくりセンター

石本社長インタビュー

本誌−建物の名前である「ラ・ヴィバレ」とはどんな意味か−
石本−「イタリア語を短縮した造語で『活力、再生』などを意味します。まさに早稲町界隈の活性化と再生にかける建物としてオープンします。現在の早稲、五月、清明町は急速に高齢化が進む地域となり、以前から商店街、町内会の会長からまちづくりについてその思いを聞いていました。
本誌−この地に建物を造ろうと決意させたのは−
石本−この地域にはもともと町内会の集会所がなく困っていた。それならば、私どもの土地を活用して、コンベンションホールを造って地域に貢献するのがいちばんと考えたのです。市内からいろいろな業界の若手に集まって戴き「まちづくりセンター」を結成し、私の想いをランダムに話し合うことから始めたのです。特にNHKの前局長や工事を担当した菅野建設や大槻電設工業の社長には、いろいろな意見を戴いた。その結果、“人が住む条件整備をすること”がいちばん大事ということで、スーパーやクリニックなどを同居させる建物になった。
本誌−これからは「ラ・ヴィバレ」をどのように位置付けていくか−
石本−私は親の代から、この早稲町で魚屋として親しまれてきた。これまでも「駅前活性化」が叫ばれてきたが、何の手立てもないどころか、誰も本気でやらないのが現実の話しだ。駅前に人が住むこと、マチに活力と再生が最も重要な時代だ。
 この地域は特に高齢化が進み、お年寄りは車を持たないので買い物にも不自由している。幸いにもこの周辺には、市の「夢を育む施設」や「NHK放送局」が現在建設中だが、特にNHKの前局長にはプロジェクトの座長を務めて戴くなど、地域町内会の想いも実現できたと思っている。「ラ・ヴィバレ」は自分の建物と言う意識より、皆さんの建物という意識が強い。多くの友人に恵まれ、間もなくオープンできることは、至上の喜びだ。
写真−借上市営住宅からは駅前の二大施設現場が一望できる)

取材を終えて
ビルのネーミングからも分かるように「活性と再生」に、いちばん赴きをおいて建設したのだと石本氏の言葉の端々に感じるインタービューだった。有識者や著名人を集めたまちづくりシンポやまちづくり講演会など、雨後の竹の子のようにあっちこっちで行われているが、現実になるとなかなか手を出す人はいないのが現実。“一億人総評論家”時代に、実現を可能にした石本氏に拍手を贈るととともに、地域住民との二人三脚で、さらにマチの活性化と地域の再生に取り組むことを期待したい。【富】
(02.8.23)