電子入札はISOの“二の舞”を許すな!
県内の商工会議所は悪戦苦闘

 国土交通省は2003年4月からすべての直轄事業に、農林水産省も同年8月から農業農村整備事業に導入した電子入札。あれから1年が過ぎたものの、県内業者の反応は冷ややかだ。福島商工会議所では、所報「ふくしま8月号」で2ページを割いて電子認証サービスの案内を特集した。「電子入札コアシステム及びe−Taxに対応の電子証明書」のなかで、“利用者はパソコンから電子入札に参加できるために、従来の入札で発生した出張費等の手間や費用等を削減することができる”とシステムの良さをアピールする。だが「その内容に対する反応は、福島だけでなく県内10のどこの会議所でも冷ややかさは同じだろう」と福島商工会議所担当者は頭を抱える。
 なぜ、こんなにも素晴らしいシステムが、一年を経過してもモテないのだろう。ひとつに国土交通省が進めるシステムに福島県が同調するかである。国土交通省と歩調を合わせるシステムを導入する都道府県は、2003年7月現在で28。独自のシステムを構築するのが3。未定なのは福島県をはじめ16ある。実に34%の都道府県が「コアシステム」を導入するかを決めかねている。県内では県建設業協会が独自のシステム導入、日本商工会議所がさらに独自の促進ルートを開いた。福島商工会議所の建設部会には建設業者が数多く入会しているが、商工会議所の認証を取得するまでには至っていない。認証局は日本商工会議所など8機関で、この多さが逆に足かせではないのか。
 「福島県は2007年に電子入札を実施する」と宣言した。だが、こうも冷ややかな反応に、「本当に大丈夫?」と疑いたい。県内の建設業者の許可数は約1万社あるが、県発注の工事を恒常的受注できる業者は、その10%前後に過ぎない。国土交通省や農林水産省の工事を受注する会社は、さらにその一握り。(社)県建設業協会員も全盛期には500社近く参加していたが、現在では300社を保つのもやっと。不況のあおり、公共事業の大幅な削減で“この素晴らしいシステム”も色あせて見える。福島商工会議所は普及拡大の一環として、自宅や事務所から手軽に申告・納税できる国税電子申告書・納税システム「e−Tax」の利用を進めながら、コアシステムの確保に努める方針を打ち出している。 国と県がシステムに対する熱意が合致しない限り、いつまでも軌道には乗らない。国交省が建設省時代にあれだけ『ISO取得』を推奨しながら、国交省に変わったトタン、「ISO取得は企業の信頼と質の向上のための企業努力!」に変身してしまった。目標がすり替わったいま、取得業者の間には「こんなもの返上したい」という声が、のろしのように上がる。「取得は入札の必須条件」の号令はいま何処。ISOの“二の舞”を許すな!