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75年前の「円通寺本堂」が出現!
“お宝いっぱい”の工匠店・八木沢

4月初め、久しぶりに福島市泉の八木澤規矩夫さん(工匠店(有)八木沢)を訪ねてみました。本人は、「足がちょっと弱くなった」という以外に至って元気。事務所で何やら難しそうな図面を広げて思案中の様子。間もなく本格的な工事にかかる埼玉県寄居町の法生寺本堂の図面である。同業者の三浦藤夫さん(三浦工匠店(有))が庫裡工事を担当するが、双方ともに一年がかりの大工事になる。本堂は130坪、庫裡は150坪あり、久々に手応えを感じる物件とか。

 その合間を縫って福島県建築士会からの原稿依頼があり、それもを何とか執筆し提出したそうである。「この辺りの寺院は、江戸時代の中頃はまだ、開けていない山村の本堂で、約80戸足らずの集落で・・・」と始まる『菱になった本堂』の元原稿を見せて頂いた。その内容については『建築士会・会報5月号』を楽しみにして頂こう。手にした原稿は専門用語が至る所に顔を出すだけに、読むといっても至難の業、いや大変である。だがこうした専門用語だけでなく建築工法や建築物が年を追うごとに減っていく。八木澤さんのように書き残す人もいなくなることは、日本の建築文化が消えていくことになるのだ。建築物だけでなく、書物や図面などの永久保存にも県や市はもっと力を入れて欲しいものである。八木澤さんはこうした意味では無形文化財、国宝級である。

 八木澤さんの事務所には“お宝”が無造作に転がっている。「八木澤さ〜ん!これ写真集にするとか、CD-ROMに収録するとか、何かの方法でまとめておかないとー」と訪ねるたびに口にするのだが、当の本人は「そう思ってはいるんだが・・・なかなかな〜」と言うことで終わってしまう。「いつかキチンとまとめっぺな」とは言うものの実現はいまだなし。机の上のお宝をひっくり返していると何とビックリ!福島市大森の円通寺の古い写真2枚(=写真下)が飛び出してきた。昭和4年6月の本堂上棟式と同年10月の落成の記念写真だ。もうすでに75年の時が過ぎている貴重な写真である。
 何とかして八木澤さんの事務所のお宝をまとめたいと思っているのだが、「元手がない」といって実現しないのが現状では、貴重な資料や図面、写真が消えていく。何か説得するよい知恵があったらお貸しください。

福島市大森・円通寺本堂上棟式と落成
昭和4年6月・10月