経営者のための実務イロハ講座
指南役/有限会社 本宮会計センター
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経営戦略に新たな切り口を目指す
ゆとりの空間を様々に演出して

 国内の出版物販売額は96年の2兆560億円から減少を続けている。また、カラオケボックスは90年代中盤が頂点で、以後過当競争から室料の値下げ競争が激化している。共に消費者に対して新たな魅力付けが至上課題となっている。
 東京都内の書店では大型書店の出店・改装が相次いでいる。自遊時間三省堂書店(東京都千代田区)は銀行支店転出のビル1階フロアを全部使ってカフェ併設の書店をオープンしている。本社は目の前にあるが、こちらはゆったりしたスペースに贈答用文具などを置くなど「高級感」が漂う。紀伊国屋書店(同新宿区)は国内最大級のDVD・コミック売り場を設けた。
丸善(同中央区)が今秋開店を予定するのは東京駅(丸の内)。120万冊の品揃えを持つ超大型店。店内にブックアドバイザーを配置、カフェやギャラリーも併設、セミナーも開く。
 カラオケボックスでは飲食メニューに工夫を凝らす店が増えている。歌うだけの目的から健康志向を狙い「スローフード」を掲げ飲食共に健康メニューを揃えるのが業界の流れとなっている。アガリクス茸おにぎり、発芽玄米ご飯、じゃこサラダなどを食材に使った料理、ゴーヤ茶、ウコン茶、アミノ酸飲料などの健康茶と、個性的メニューで集客する。対象に女性客、中高年層を意識し昼食時の利用まで視野に入れた作戦で料理でも売上を図ろうという作戦だ。
ゆとりの空間をキーワードに様々な個性を凝らした演出で、他店との差別化を目指している。

相続時精算課税制度適用の注意点
110万円以下の贈与も申告が必要

 今回の確定申告では相続時精算課税制度の届出書が初めて受け付けられているが、どれぐらいの人が同制度を選択したのか注目されている。
特別控除額が2500万円(住宅取得の場合は3500万円)とこれまでの贈与税(暦年課税)の基礎控除額110万円に比べ格段に大きいことから、これを機に親から子への資産の早期移転が進むものと期待されている。
 ところで、相続時精算課税制度をいったん選択して以降に注意が必要なのは、精算課税制度で贈与した親(特定贈与者)から、暦年課税の基礎控除額110万円以下の贈与を受けた場合であっても申告しなければいけないことだ。精算課税制度の届出書を提出した年分以降は、特定贈与者からの贈与によって得た財産については、その金額の多寡にかかわらず、すべて贈与税の申告をしなければならないとされている。
 つまり、父親から贈与を受けて精算課税制度を選択したら、その後の父親からの贈与はすべて精算課税制度に取り込まれることになるのだ。これまでのように、110万円以下の贈与だから非課税の範囲だとうっかり思い込んで期限内までに贈与税の申告をしないと、精算課税での特別控除が受けられない恐れがあるので要注意だ。
 そこで、当面の2003年分の贈与について精算課税制度の適用を受ける財産がある場合には、ほかに暦年課税の基礎控除額110万円以下の贈与があったのであれば、その贈与された財産もすべて申告書に記載しなければならない。

インターネット限定が56.7%
03年度新卒者採用での企業対応

 新卒者採用で学生からの応募の仕方をインターネットに限定した企業は56.7%に上っていることが日本経団連の調べで分かった(03年度、回答690社)。かつては電話応答や手紙での郵送が中心だったが、現在はインターネット・携帯電話・郵送の3点セットが主力となりつつある。この組み合わせとなると84.4%と高率となり、もはやインターネットなしでの就職活動はありえない状況となっているという。
企業によっては就職説明会の予定などをメールやサイトで案内するところも出てきており、学生はこれらにアクセスしないと就職活動は始まらない状況にもある。
 ITをフル活用する企業側のメリットは、1.大量情報を一括公開でき、更新も簡単、2.人事担当者の手間が減る、3.会社案内郵送などのコストダウンにもなるなど。もちろん段階的には電話応対、手紙、面会を断っている訳ではないが、初期段階としてIT活用を勧めるのは企業訪問する前の「表玄関」に当たると位置づけているからだ。
 ただ学生によってはメールの送り方、書き方などで不慣れ、未熟な人も多い。マナーに欠けていたり、誤字脱字もいとわない。企業情報を鵜呑みにして肝心の志望動機が見えてこないなど、人事担当者を迷わせることも少なくないという。将来の仕事が合わないミスマッチもあり得る訳で、双方のインターフェースのあり方を問われる現象ともいえる。

税制の影響が大きかった住宅建築
住宅ローン減税縮小で駆込み需要

03年の注文住宅マーケットは、前年比1.3%増の37万2652戸と4年ぶりに増加した。その要因のひとつとして、税制の影響・効果を指摘するのは、リクルート発行の月刊『HOUSING』が実施した注文住宅等に関する動向調査結果(有効回答数905世帯)である。
 昨年度税制改正では相続時精算課税制度が創設され、昨年1月から住宅取得資金の贈与の場合の非課税枠は3500万円まで税金がかからない。調査結果では、親からの援助額平均が前年に比べ84.5万円(13%)増え733.1万円となった。特に「1000万円以上」の割合が前年の23.5%から31.1%へと大きく伸びた。
 また、住宅ローン控除制度については、04年には大幅縮小、05年には制度そのものが廃止されることになっていた。制度延長の不透明感に伴う駆け込み需要があったとみている。
 新居建築のきっかけ(複数回答)は、「いつかは一戸建に住みたいと思っていた」が45.7%でトップだったが、「税制が有利だから(住宅ローン減税)」との理由が、前年の18.1%から24.6%へと6.6ポイントと最も大きく増えた。
さらに、新居の完成時期別にみると、「4月〜6月」が20.0%できっかけランクの第6位、「7月〜9月」が25.2%で5位、「10月〜12月」が36.0%で3位と、年末が近づくにつれポイント数が高くなった。これは、住宅ローン減税の意識が高まり、年内入居の駆け込み需要につながった表れと考えられている。

キーワード

スローフード ファストフードに対する言葉で、食文化の荒廃を危惧する警鐘として80年代の終わり頃からイタリア・ピエモンテ州ブラで提唱され、世界的に広まっている。食べ方で、人工的で不自然なファスト(早い)から、本来の自然で楽しい、味わうスロー(ゆっくり)に立ち戻ろうという運動。決してグルメを掲げるのではなく正しく安全な食を求める消費者運動とエコロジー運動でもある。食文化の健康や情緒に及ぼす影響、暮らし方、生き方までも運動に含まれる。

ミスマッチ 元々は不適当な組み合わせ、不釣り合いな縁組、ファッションなど常識を超えた組み合わせなどをいう。転じて本人の希望職種と採用側の意向が合わないなど人事労務面に使われる。顕著なのは新卒者、中高年齢者に多く見られる。新卒の場合は企業名など一種のブランド志向で入社したケースで早期退職する例。最も多いのは中高年齢者の場合で「仕事に就きたい」のと「何の仕事がやりたい」のとが混在して行き違うケース。前職の経験待遇などにこだわるのも招きやすい。