経営者のための実務イロハ講座
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上場企業の2割が過去最高利益
全産業の6割稼ぐが業績格差も

 日本経済新聞社が全国上場企業1510社の04年3月期決算のアンケート調査(金融・新興市場除く)を集計し発表した。
それによると、連結決算の経常利益で過去最高を見込む上場企業が全体の2割に達し全産業の約6割を稼ぎ出すことがわかった。これは、全産業ベースでITブームに沸いた01年3月期を上回る、過去最高の経常利益である。
 今期に過去最高益を見込むのは322社。「円高・ドル安」は年明け以降も止まらないが、輸出関連企業は3月までに売上が立つ分は為替予約をほぼ済ませている。従って、今期の収益には影響しないため全産業の連結経常利益は前期比2割増となる見通し。01年は最高益企業が2.5割と今期より多いが、最高益企業の利益総額が全体に占める割合は5割にとどまった。
 収益拡大を享受しているのは外需やデジタル景気の恩恵受けた一部に限定されている。
ユニチャーム(売上高80%)は海外事業の好調で売上高、経常利益とも過去最高を更新する見通しだ。売上高原価率(全産業平均74.4%)が50%を切る企業はエーザイ(19%)、キーエンス(21%)など23社。
 このように最高益企業の財務上の特徴は、増収率の高さと原価率の低さだ。最高益企業の売上高経常利益は7.9%と、4.6%の全産業平均を大きく上回っている。しかし、「利益率の回復が一部の大企業に限られ、多くの企業の収益回復の足取りは鈍い」と専門家は分析している。

■ユニチャーム
http://www.unicharm.co.jp/ir/

適応力・即戦力でストレス急増
心の健康管理が経営課題に浮上

 派遣社員は正社員と比べ慣れない職場で短期間に成果を求められるなど、適応力や即戦力、資質の要求が厳しいのが一般的だ。そのためストレスにさいなまれる環境下に置かれ、症状は見えにくい。
特に情報技術(IT)系では長時間、パソコンに向かうなど、派遣社員の仕事は質・量ともに増加傾向にあり、心の健康管理対策は人材派遣業界にとって重要なテーマになりつつある。
ヒューマンリソシア(東京)は昨年末から派遣社員へのメンタルヘルスに関する無料サービスを行っている。同社はカウンセリングを主とするライフバランスマネジメント(東京)と組みインターネットを使って定期的にストレスチェックを受けることができる。希望者は個別のカウンセリングを有料で受けられる。同様のサービスはIT系社員対象にフジスタッフ(東京)
も始めた。
 テンプスタッフ(東京)の子会社で健康診断の事務代行などを手掛けるケアテンプ(東京)は、グループの従業員向けに電話相談サービスを提供し、このサービスの販売も行う。6人の臨床心理士を抱え土・日や深夜の相談にも応じる体制だ。
メンタルヘルスは、心の健康管理対策を外部依託したい企業の需要に答える形で事業化も進展しており、派遣業界を発信源に経営戦略の柱になろうとしている。
ヒューマンリソシア
http://www.athuman.com/resocia/

若者向け携帯電話広告が人気急増
広告費は前年の2倍、右肩上がり

 IT(情報技術)化の進展でユビキタスが広告までも変えようとしている。
携帯電話向け広告が01年頃から急激に増加している。電通推計の携帯電話向け広告費が03年予定では100億円を突破した。これは前年の2倍で、マスコミ媒体が2年連続減少で02年以降は横ばいだけに好対照を描いている。
 01年当初は着信メロデイなどコンテンツ(情報内容)配信業者が流す広告が主流だったが、最近はより幅広い業種の企業がその効果を認め始めている。携帯向け広告配信会社の集計では、02年度コンテンツ配信業者が流す割合は35%だが、2000年の79%から大きく後退し、代わって情報通信9%、化粧品・日用雑貨7%、金融・保険6%、流通・小売業、飲料・嗜好品、自動車関連品が5%と各種企業が加わってきた。
携帯電話広告に企業が注目する理由は2つある。1つは若年層へ効率的にアピールできる点だ。調査会社のデータによれば10、20代のうちネット閲覧機能を「利用している」と回答したのは7−9割にのぼる。40歳以上だと2、3割にすぎない。コンビニに商品を卸す企業は携帯販促の効果を認めている。
 2つは情報を流すタイミングの良さをあげる。テレビCMでは朝に見ても夜までには忘れてしまうが、携帯なら帰宅時間に情報提供も可能だ。小田急電鉄(東京)の「小田急グーパス」は改札機に定期券を通すとタウン情報と広告のメールが携帯に入るなどが好例だ。

小田急グーパス
http://www.goopas.jp/virtual.html
「小田急グーパス」の会員数が1万人を突破
http://www.omron.co.jp/press/2003/s0411prn.html

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連結決算(制度)親会社の単独決算だけでなく、子会社や関連会社などグループ企業全体を単一組織体とみなして企業決算を行う制度。親会社と子会社間、子会社同士の内部取引は相殺して、企業グループと外部取引先との取引状況だけが反映され、多角化が進む企業の実態を把握するのに適す。米国では1934年に法制化され、日本では1977年に証券取引法によって提出される有価証券報告の添付書類として連結財務諸表が義務づけられた。1997年に見直しされ連結決算中心の情報開示が決定している。

臨床心理士 医療・教育相談・福祉・司法(矯正)・産業などの分野で心理臨床活動に従事する者で、(財)日本臨床心理士資格認定協会の審査を経て資格認定証を持つ心理臨床専門家のこと。01年度で約7000名が資格取得している。ただし倫理綱領の遵守が厳しく求められ5年に1回更新が義務づけられている。業務内容は臨床心理査定、臨床心理面接、臨床心理的地域援助、研究開発などである。98年度から大学院指定制度をはじめ各種の研修システムなど養成内容が充実しつつある。

ユビキタスユビキタスの直訳は「あまねく」「遍在」。今ではインターネットを利用できる環境は、家庭やオフィスだけでなく、携帯電話やホットスポット(駅構内、図書館、喫茶店などで無線LANを使ってインターネットに接続できる場所)などによって「いつ」「どのような状態」でも「誰とでも」「至るところ」で「必要な情報の引き出し」(コミュニケーション)が可能となっている「環境」をユビキタスという。インターネットと携帯端末の爆発的な需要の増加が牽引役である。