経営者のための実務イロハ講座
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「成果」生む人材育成の手段へ
コンピテンシー評価制度広がる

 ここ数年、人事考課などの基準にするコンピテンシー評価制度が広がりつつある。直訳では社員の行動特性と解釈される他に、安定的に業績を上げるために能力を発揮する行動などとも訳される。この制度の特徴には能力評価への透明性が高いことや社員の納得性を得るにも効率がよく利用が高まっている。これまでの人事評価マネジメントというと、人材選抜や結果評価に重きが置かれていた傾向があった。対してコンピテンシーは業績や成果を生むための評価方式と位置づけられている。

 例えば販売実績などは結果だけを評価するのではなく、社員の行動や意識をきめ細かく把握できるのが利点である。 大手ではサッポロビール、NEC、曙ブレーキ、富士ゼロックスなどは既に導入し、東京エレクトロン、BGMファンハウスも近く導入する予定だ。

 サッポロビールは、管理職だけの対象から一般社員に広げた。約40の項目を評価基準に年度毎に各項目を6段階で評価、昇給や昇格の考課に反映する。コンピテンシー評価の考課への反映は3割程度で、7割は業績などの目標達成度で評価する。
 NECは「社員に求める行動」として13の行動基準を設けて、社内ネットワークで全社員に公開している。富士ゼロックスも能力基準を社内ネットで公開中で、各自が能力開発に取り組みやすくしている。総じて成果主義から成果支援へと移行する一手段として着目されている。

■コンピテンシー評価制度設計】
・多面的な情報収集による評価項目作成
成果を上げていくために期待される具体的な行動項目を、インタビューやディスカッション、アンケート(コンピテンシーファインダー)から作成し、コンピテンシーを測定する具体的な行動項目を作成します。
http://www.hrr.co.jp/consulting/service5.html


通関時の申告漏れ985億円を把握
無償提供の製造用機械も課税対象

 製造用機械や原材料を無償提供して海外生産した商品を輸入することも少なくない。ところが、この無償提供した機械や原材料なども、商品を輸入する際の課税対象に含まれることを認識していない業者が多いようだ。ほかでは、ロイヤルティやインボイス上の決済金額以外の貨物代金の申告漏れなどが目立つという。

 財務省関税局がまとめた輸入通関後の調査事績によると、税関において、今年6月までの1年間に、申告内容が疑わしい輸入者5011者を対象に事後調査を行ったところ、このうち56.8%にあたる2845者から申告漏れ課税価格985億円を把握して、関税・消費税の追徴税額は78億円となった。

 主な申告漏れの事例を紹介すると、中国の輸出者からカップゼリーを輸入していた業者は、その商品の製造に必要な製造用機械や資材などを無償で輸入者に提供していたが、その費用を課税価格に含めて申告していなかった。申告漏れ課税価格は3400万円で、関税と消費税の追徴税額は1000万円だった。

 輸入品は通関時に関税・消費税等が課税されるが、課税対象となるのは貨物代金に運賃や保険料を含めたシフ(CIF)価格だけでなく、仲介料や無償提供した物品などの費用、ロイヤリティなども課税価格に含めなければならない。
 例えば、無償提供した製造用機械などは商品の生産計画に応じて按分して課税価格に含めることになる。


変革迫られる不動産管理会社
分析・提案能力が評価のカギ

 不動産流動化ビジネスが活気づいている。外資系、日本の新興企業、大手の不動産投資信託が次々と参入、乱戦模様の気配も見えているが、その影響で親会社の不動産を管理するだけの旧来型の中小不動産管理会社は投資会社からの厳しい選別にさらされ変革を迫られている。

 旧来型の多くは不動産価値を高めるノウハウがないことなど、コスト管理が甘いことが指摘されていた。
 管理会社の役割は、オフィスビルやマンションなどに対して、不動産の調査・分析、テナントや入居者の誘致、清掃会社などの選定などを行うのが基本的業務だ。一方、不動産ファンドの増加に伴い、資産価値向上のための助言や報告などの高い提案能力が管理会社に求められるようになった。具体的にはキャッシュフローや損益の報告、ビル経営計画などの選定、資産価値向上のための助言などである。

 FC全国展開を手掛けるアパマンショップネットワークは高い賃貸仲介能力が評価されて昨年、外資系ファンド所有のマンション30棟(1800戸)の管理を請け負い、入居率9割を維持している。独立系のザイマックス(東京)は分析・提案能力で差別化を図る。ファンドなど不動産所有者に毎月提出する「物件経営報告書」は100ページにも上る内容だ。
不動産流動化の進展により、管理能力の精度が高い独立系管理会社の台頭は業界に一大旋風を巻き起こす勢いだ。

そろそろ15年分の年末調整の準備
従業員に早めに知らせて円滑事務を

 今年もそろそろ年末調整を行う時期。年末調整の基本的な仕組みは昨年と変わりないが、平成11年以降は定率減税が実施されており、今年の年末調整時においても、年税額の20%相当額(25万円が限度)を控除することにる。

 年末調整を行うためには、12月分給与の支払日の前日までに従業員に色々な書類を提出してもらう必要がある。まず、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「配偶者特別控除申告書」がある。15年度の税制改正で、配偶者特別控除のうち、配偶者控除と重複して控除される部分は平成16年分から廃止されることになったが、今年の年末調整では今まで通り適用される。

 また、15年中に支払った生命保険料や損害保険料を申告する「給与所得者の保険料申告書」では、生損保会社が発行する保険料を支払ったことを証明する書類の添付が必要になる。

 さらに、住宅ローン控除の適用が2年目以降の従業員は、その税額控除を年末調整で行うことができるが、必要な書類がある。「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と金融機関が発行する「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」、従業員が住む所轄税務署長が発行する「年末調整のための住宅借入金等特別控除申告書」だ。最後の書類は、これまでの年末調整で住宅ローン税額控除を行っている従業員は、申告書への記載で省略することができる。
 スムーズな年末調整の事務が行えるように、従業員に早めに知らせることが必要だ。

キーワード

コンピテンシーアメリカで生まれた人事評価の手法だが、日本企業で本格的に導入され始めたのは90年代半ばから。高い業績を上げた社員の行動や発想の特徴を抽出して分類しておき、それらの項目に沿った行動をしているかどうかを評価する。社員は能力開発の目標にする。会社は適材適所の人材登用にも使える。その行動基準がキメ細かいのが特徴。しかし、各企業ともその捉え方や活用の仕方ではまだ手探りの段階で、従来の主力だった結果主義への偏向への見直しとして浮上してきた。

不動産投資信託(REIT) 投資家から集めた資金をオフィスビルやマンションなどの不動産に投入し、賃貸収入や売却益などの運用収益を配当として投資家に分配する金融商品。米国ではREIT(リート)と呼ばれ課税で優遇処置を受けてから急速に拡大した。日本では2000年11月の法改正に伴い投資信託の運用対象が不動産等も含むようになり01年9月に第1号商品が東証に上場された。米国版に対してJ−REITとも呼ばれている。地価下落と低金利を背景に有利性は高いと人気を呼んでいる。