新江戸時代をめざした
新エネルギー・ハイブリッド利用(4)

 

日本大学工学部機械工学科
熱機関研究室
助教授 渡部弘一

風力エネルギーと風力エネルギーの違い?

(1)風力エネルギー

 DAVIS社製の気象測定器を用いて風速、最大風速、風向、日射量、雨量、気温、湿度、気圧等23項目の記録をした。図-1に10号棟3階屋上、地上高17.7mにおける2000年の測定例と2002年に新たに西門観に測塔を設置し、測定高さ20mおよび30mの2箇所の風況調査の結果を示す。データは5分間隔で計測し、各数値は5分間の平均値を基にして、一日の平均値、一ヶ月の平均値を求めたものである。


図7−2年間の風速分布
図7−3 40kw風力機予測発電量

高さ30mにおける平均風速は17.7mおよび20m位置よりも大きい。

表-2は2002年3月から、新規風況調査塔を設置し測定したもので、20mの位置における一例を示す。30mとの比較結果は図-1に示す。観測塔の設置位置は風力機を設置する位置から、東北東30mの距離である。測定位置高さは20m、30mの2箇所で行った。この結果高さによって風向きおよび風速の違いが大きいことがわかる。

 年間風速分布は3点の計測点で多少の差異はあるが、風速分布の傾向は同様である。機械棟の2000年8月において、風速値の低下は停電による数日の測定中断によるものである。
図-2葉平均風速を基に、40kwの風力機が発電する発電量を予測算定したものである。これによると12月から4月までの風力エネルギーは高く、6月から11月までは低い値を示している。
年間の平均風速は2.7m/s程度であるが、風力に関しては、年間18,000kwh以上の発電量が得られることがわかる。
 図-3(略)は年間の発生風向頻度数を示す。キャンパスでの風向は西方、南方が多いことがわかる。河川の土手の高さ(2.5m)と、春、夏に茂る林(高さ20m)の葉の影響が研究対象になる。(写真は日大工学部の風力・太陽ハイブリットシステム)

(2)太陽光エネルギー
 太陽光から得られるエネルギーは、平均日射量が100w/m2以上の場合は、発電量が20kw得られることになる。この場合、年間の発電量は20,600kwhとなり、40kw風力機より大きい。
(3)ハイブリッドシステム回路
 風力と太陽光のハイブリッド発電システム回路を図-4に示す。風力発電機の出力は風力インバータを介して研究センターの電気系統へつながれる。系統の電圧より低下すると遮断される。
 ソーラーセルの電力は蓄電池に蓄えられ、同時に太陽光インバータを介して、研究センターの電力系統につながれる。ソーラーセルの電圧が系統より低下した場合は、遮断され、蓄電池の電力が供給される。蓄電池の放電池の充放電は最適な状態で行われるように制御する。


新エネは小規模分散型システムの発電利用に最適!

8.おわりに
 新エネルギーのエネルギー密度は従来のエネルギー密度に比べて非常に小さい。また、太陽光発電、風力発電、小水力発電等の発生電力は不安定であるので、蓄電技術、ハイブリッドシステム技術が必要である。したがって、新エネルギーは小規模分散型システムの発電利用が適している。
 環境省が作成した「第5回30カ国環境問題国際共同調査」によると、図8-1に示すように日本は「環境問題は個人では対応できない問題」と考えている人の割合が高いことをしめしている。したがって、他の先進国とは異なって地域環境力を高める必要があるので学校や企業、民間活動団体(NGO)など、地域で取り組みを支援することが必要である。
 幸いにこれを受けて国会で環境保全意欲増進・環境教育推進法が議員立法で成立した。環境省は平成16年度から、新エネルギー普及などに取り組む自治体をモデル指定し、環境と経済が両立する街づくりを支援する方針であるので、産学はこれを機械に奮起する必要がある。(終 -TOPへ- )