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「炭の効用」「日本の建築の在り方」とは?
土田建築設計事務所・土田教雄氏に聞く

 健康、農作物、住宅とあらゆる分野で注目を集めている「炭」。最近は県内各地で「炭の研究会」なるセミナーや説明会が頻繁に開かれている。生産・販売をめざす人や芸術のオブジェに使用する人、家庭の消臭剤や化粧品、石鹸、入浴剤などなど、その用途は広がるばかりだ。先日もあるドライブインでは炭のふりかけや菓子まで売っていた。
 これだけの用途に使用されながら、建築の分野ではまだ用途の広がりを見せていない。どこに問題があるのかを引き出すために、一昨年、須賀川市の或る住宅を建築した際に、防湿対策にと床下に炭を敷き詰めて話題となった須賀川市の(株)土田建築設計事務所の土田教雄社長に「炭の効用」や「日本の建築の在り方」などについて聞いてみた。

 

「炭」普及にはさらなる研究とデータ化が必要

本誌なぜ、こけだけ騒がれながら、住宅に応用ができないのか
土田ー本当の炭の善し悪しが分からないと言うことだと思う。「炭は良い」と証明するデータがないところに問題がある。炭の人気でまがいモノが出回り、さらに営業に走るからいろいろとクレームも多くなったようだ。本来なら自社製品を他社と比較検討できるデータが必要だが、この世界はまだ研究開発費をかけるだけの余裕はない。「使ってみたどうなのか」という結果を証明するものがまだないのが原因だと思う。特に建築廃材はダイオキシンを発生させますから問題はありますよ。「水」の世界も同じで、きちんと作っているところが迷惑している。
本誌ー簡単な設備で炭を造っているのがほとんどだが、プラントを持って造っているところもある。そうしたところが、炭のデーター化をすることが大事になりますね。これは早急にこれまでの結果をデータ化することが先決ですね。
土田ー癒しの世界だけでは、大きな普及は望めませんよ。


ホンモノ志向のみが生きられる時代

本誌ー最近、テレビの影響なんでしょうか、古民家を造る人が多くなりましたね。これだけ忙しい時代になると誰でも癒しの世界が欲しくなります。特に住まいに求める傾向にあるようですね。
土田ー最近の傾向ですと、若者はプレハブに走りますが、熟年からは注文住宅に変わります。30年周期に家を取り壊すような使い捨ての時代ではない。100年住める住宅を造る時代なのです。一カ所の土地に親と同居して住めば、特老施設の問題も高齢化社会の問題も解決します。見てください。土蔵などまさに高温多湿の日本の風土にあった建築です。土蔵の原理を無視した造りではいけないのです。日本家屋は住めば住むほどワビとサビが出ます。見えないところには金をかけないのが日本人ですが、これからはホンモノ志向のみが生きられる時代なんですよ。
本誌ー日本列島どこも同じ家づくりなどあり得ませんよ。地場の木材や地場の技術を持って、そこに合った家づくりをすることが必要なんですね。ありがとうございました。(写真はイメージです)

【一言】
話しの端々に木造建築にこだわりのある設計士さんという印象を持ちました。家づくりからはじまり、環境問題にも触れましたが、最後は個人個人の教育もまた大事な時代だということに落ち着きました。営業に走るあまり、ハサミとノリの設計士が多かったバブル期。その時代も去り、そうした設計士も去り、これからはホンモノをつくる設計士のみが生きられる時代になったと実感できました。おみやげに頂いた『ミュープル』(木造りのりんご)。これを風呂に浮かばせれば良い香りが漂うそうですが、もったいなくてまだ使っておりません。(M・T)

連絡先
  株式会社 土田建築設計事務所
    代表取締役 土田教雄
須賀川市西の内町74
  電話0248−76−5965