官民一体の「軟着陸」支援政策に驚き!
北海道「建設業の新分野進出」に学ぶこと

「北海道の行政も建設業もスゴイ! 何と言っても建設業者が新分野に積極的に組む姿勢には驚きました」と話すのは行政書士の小川静子さん。
 先月、札幌市で開かれた「北海道・建設産業ソフトランディング支援政策説明会」に参加しての感想を熱く語った。特に北海道産業推進室と(社)北海道建設業協会が積極的に取り組んだ「建設業の新分野進出・多角化事業」では、第一次分野をはじめ環境リサイクル分野に圧倒的な進出・事業展開を見せていたという。具体的なところでは、アワビの陸上養殖、水稲・野菜栽培、ブドウ栽培とワイン醸造を始めビート農家からの農作業や暗渠工事を受託する事業もある。中には七面鳥の飼育と加工に取り組む建設業者もあった。
 小川さんが特に興味を引いたのは稚内から南へ約80キロ、人口わずか3600人の遠別町で有機農業“かぼちゃづくり”に取り組んでいる北浜建設(株)社長の有田正さんの存在だった。「5人に1人は建設業で働く小さな町では、公共事業に頼るだけでなく、従業員の雇用を守ることからも、新分野に参入する考えが重要だった。地域の特性を活かして、具体的に取り組めば、行政がしっかりと後押ししてくれる」と自信あふれる言葉だった。

支援政策で最も関心度が高いのは「農業分野」

 建設業の新分野進出が他県より目立つ背景には、拓銀が破たんした後、15〜16万人の失業者を出し、30万人の雇用を抱える建設産業も家族を含めると100万人が危機に直面する。そうなれば、雇用問題ばかりか地域のコミニュティまでもが崩壊するという北海道は、官民あげて「建設産業等のソフトランディング(軟着陸)支援政策」を推進しているのだ。
 その対策として北海道は平成15 年度に「当面の建設業等ソフトランディング対策関連予算」の概要を発表した。特に民間需要拡大対策として、リフォーム市場の育成と高気密・高断熱住宅の普及、さらに企業体質強化として、経営管理の強化、合併・協業化(企業連携)の促進、コスト縮減等の固有技術の開発をあげた。また新分野・多角化の促進では、多様な新分野進出・多角化の促進と一次産業・関連ビジネス等への参入促進を推進する。
 支援政策で最も関心度が高い「農業分野」では農業生産法人とそれ以外の法人でも農地を利用できる「構造改革特別区域区域制度」には多くの質問が市町村役場担当者に寄せられた。また「企業合併」では2年で80件を越す事例の中から12件の個別事例の説明と合併および営業譲渡後の評点の調整と直近下位等級への参加(食い下がり)などの説明や合併によるメリット、デメリットが指摘されたという。

「健康・福祉分野」参入は101社中8社

 ちなみに「健康・福祉分野」に参入した建設業者は101社のうちわずか8社に過ぎなかった。取り組みでは健康食品の輸入販売、介護用品レンタル・小売業への進出、グループホームの設置・運営、十勝産大豆を使用した無添加食品の製造(醤油、味噌)、健康老人街(終身共同生活施設)の建設・運営、高齢者生活支援型グループハウスの運営および芝生専門のメンテナンス事業の立ち上げ、福祉住環境に特化したリフォーム事業の実施および土浄化システム等の事業化となっている。
 小川さんは全国建設関係行政書士協議会北海道東北支部の代表として、同説明会に参加したが、全道各地から建設業者をはじめ運送業者、市町村役場職員、税理士、行政書士など約300人が参加し、分科会では危機感を募らせる参加者と政策をアピールする行政側との熱い思いが伝わってきたという。
 「北海道という開拓精神にあふれた官民の取り組みが全国に広がり、未来に夢と希望を託す建設業者が増えることいい」と話していた。

●北浜建設紹介ホームページ
■さらば公共事業〜カボチャ作りに挑む建設会社〜
http://mbs.jp/satamoni/genba/01.html
■マスコミで話題、農業経営に進出した建設会社の試み
http://homepage2.nifty.com/yugatsuru/em/em6.html
公共事業激滅の危機〜地方の雇用は守れるか〜
NHK教育テレビ 14年度放送分(9月14日放送)
http://www.nhk.or.jp/business21/
大量失業は防げるか〜公共事業費削減に揺れる建設業界〜
NHK教育テレビ 14年度放送分(4月20日放送)
http://www.nhk.or.jp/business21/