土地評価や不良債権処理に波紋広がる
土壌汚染対策法の影響でビジネスチャンス?


                 慶徳総合経営センター株式会社
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 近年、有害物質による土壌汚染事例の増加が著しく、土壌汚染による健康への影響や、対策の確立の社会的要請が強まっていることから、土壌汚染の状況の把握、土壌汚染による人の健康被害の防止等の対策を行うことを内容とする「土壌汚染対策法」が、平成15年2月15日に施行されています。
 土壌汚染対策法は、有害物質を扱う工場が廃業したり、宅地などに用途変更する場合、土地所有者らに汚染の調査や除去を義務付けるもの。欧米に比べ遅れていた日本の土壌浄化がようやく本格化するとみられています。
 日本では直接の規制法がなく、水質汚濁防止法に基づいて、地下水に溶け出す物質の環境基準が91年に定められているだけで、土壌汚染に対する意識そのものが低調でした。
 ただ、その現状を見ると土壌調査大手の国際航業がかかわったメーカーの工場用地では、5割以上で汚染が見つかっているいわれて、また社団法人土壌環境センターも、全国の工場・事業約90万カ所のうち、44万カ所に汚染の可能性があると推計するなど、かなりの範囲で汚染が進んでいるとみられます。

土壌汚染の発覚が急増する背景とは?

 このような土壌汚染の発覚が急増している背景には、主に二つの理由があります。製造拠点の海外移転や不況で、工場の廃止が増え、負債圧縮を図るために跡地を売却する企業が多くなったこと。もう一つは、土壌汚染に対する厳しい規制法(スーパーファンド法)が80年に制定された米国の企業など、外資が土地の買い手になる場合が増え、所有者に厳密な調査を求めるケースが出てきたことです。
 また、土壌汚染は、企業の経営戦略にも大きな打撃を与えます。産業廃棄物と有機溶剤の処理費が膨大なために、土壌汚染が「土地塩漬け」を招く場合も少なくありません。こうした点に、金融機関も融資の担保にとった土地の価値が、汚染発覚でさらに下がったりすれば、不良債権処理の大きな妨げになってしまいます。
大手銀行の融資担当者としては「汚染の恐れがある場合は、担保の評価替えをしなければならない。しかし、リスク評価が難しいし、引当金を積めば損が出るので、踏み切れないでいる」といった所が本音のようです。

13兆円規模の巨大土壌浄化市場にビジネスチャンス!

 問題は工場跡地だけにとどまらず、駐車場等を買収し建設した分譲マンションの地中から、環境基準を超えるベンゼンなどの発がん作物質を検出した事例もあります。駐車場になる以前に、産業廃棄物が大量に埋められていたためだったようです。
 土壌汚染対策法施行を機に、13兆円規模とされる巨大な土壌浄化市場でビジネスチャンスを切り開こうとする動きが出てきています。新日鉄は鉛やヒ素などの重金属や油で汚れた土壌を浄化する新システムを開発し、今春にも実用化を予定しています。
 一方、非鉄大手の同和鉱業は4月、汚染土壌調査・施工の新会社「ジオテクノス」を設立、本体の環境事業と連動させ、事業拡大を図っています。
《慶徳総合経営センター(株)発行の月刊誌「ファロス」5月号より》

■慶徳総合経営センターホームページ
http://mykomon.ecall.co.jp/keitoku

■環境省のホームページ(土壌汚染対策法について)

http://www.env.go.jp/water/dojo/law.html