ちょっと言わせて!

「建設業者?」から「建設屋さん!」へ

 間組、熊谷組、飛島建設など経営再建をめざす中堅ゼネコン。そのはざまでリストラや早期退職に揺れる社員達。「寄らば大樹の陰」神話も崩れ、何処へ向かったら安住の地があるのか誰にも分からない。地元にある大手建設業者もその体質はさほど変わらない。大きいだけが取り柄の時代ではなくなった。社員たちは来客相手に「ウチの噂はどう?」と不安げに聞き返す。「明日は我が身」と覚悟を決めての出勤にも、いまひとつ仕事に身が入らない毎日。「昨日の敵は今日の友」とばかり同業他社の顔なじみとちょくちょく情報交換する日も増えてきた。それが建設業に勤める社員の日課なのである。ここ3年は回復の見込みがない日本の景気は、さらにイラク戦争が追い打ちをかける気配だ。

 そんな夢のない会話の世界に、久しぶりに会ったSさん。設計事務所や建設会社を経て10年前に独立、一時は事務所も設けたがこの不景気には勝てず、現在は自宅を事務所にひとり頑張っていた。「仕事があれば紹介して欲しい」という彼の言葉に何とか報いたいと共同体制を張ることで一致した。仕事の話しから会話が進み、子供の教育や隣近所との付き合いなど多方面へと発展した。そんな彼の口から「最近、町内会の集まりにちょくちょく顔を出すことが多くなったせいか、いろいろと近所の方から仕事を頼まれるようになった」という。思わず「そ!。Sさん!そこなんですよ。そこからしか建設業の未来はないんですよ!」と叫んでしまった。

 今月始め「わが社のアンケート調査に答えて欲しい」と、付き合いのある会社から男女社員が訪ねてきた。経営者や社員のあり方について聞きたいということであった。話しも一段落したとき、郡山市に住むという女子社員に逆質問をしてみた。「あなたが住む近くの建設業者さんの名前を教えて」と聞くと、「建設業者?・・」と首をかしげるが、なかなか名前が出てこない。やっと出たのがバイパス沿いにある土木業者のA社だ。ここは社屋も立派で出社の際に目にする場所だという。その程度ぐらいしか馴染みと存在が薄い業界なのだと思わざるを得なかった。

「建設業の未来はどこにあるのか!?」それは何度も言い尽くした言葉である。建設業者も町の電気屋さんになること。すなわち町の「建設屋」さんに変身することだ。何も世の中のシステムにすべてを合わせなくてもいい。建設業をもっと市民の身近な存在に育てること。そのことで建設業の信頼も取り戻せるし、社会の役に立つ職業として認められるはずだ。わざわざ難しく話す評論家気取りたちの「◯×フォーラム」「◯×セミナー」に参加して、無理に時代に合わせなくてもいい。地元の98%は零細企業である。地元の人々と手を携えないで何が建設業なのだ。市民の手に「建設屋さん」を取り戻した者だけに明日は輝くのだ。ともに頑張ろう!  (2003.4.10)